オーストラリア、対中国貿易制裁措置を段階的に解除

オーストラリア政府は8月26日、中国に対する一部の貿易制裁措置を段階的に解除すると発表した。2020年から続いていた石炭、大麦、ワイン等に対する関税や輸入規制の緩和により、両国関係の正常化を図る。第1段階として石炭輸入の事実上の禁止措置を解除し、年内に大麦への80.5%の反ダンピング関税も撤廃する。ワインについては段階的な関税引き下げを実施し、2026年までに制裁前の水準に戻す計画である。この措置により、オーストラリアの対中輸出額は年間約200億オーストラリアドル（約130億円）の回復が見込まれる。アルバニージー首相は「建設的で成熟した関係の構築により、両国の貿易と投資の拡大を目指す」と表明した。一方で、安全保障分野や人権問題では引き続き厳格な姿勢を維持するとし、TPP等の多国間枠組みを通じた関係強化も重視する方針を示した。中国側も歓迎の意向を示している。