シンガポール、健康長寿社会実現に向けた新戦略を発表

シンガポール保健省は8月25日、高齢化社会への対応を強化するため「HealthierSG 2030」戦略を発表した。同国では2030年までに65歳以上人口が全人口の25%に達する見込みで、持続可能な医療制度構築が急務となっている。新戦略は予防医療の強化、デジタルヘルスの推進、在宅医療体制の充実を3本柱とし、総額50億シンガポールドルを投入する。予防医療では国民全体の健康スクリーニング体制を拡充し、慢性疾患の早期発見・早期治療を徹底する。デジタルヘルスでは人工知能（AI）を活用した診断支援システムの導入、遠隔医療サービスの全国展開を進める。また在宅医療では高齢者が住み慣れた環境で医療・介護サービスを受けられる地域包括ケアシステムを整備する。ガン保健相は「健康長寿社会の実現により、シンガポールをアジア太平洋地域の医療ハブとしての地位を確固たるものにする」と表明した。