農畜産業振興機構(ALIC)が令和7年8月8日に発行した野菜情報マンスリーレポート(2025年7-8月号)について、令和7年8月時点での主要野菜の生育状況、価格動向、消費動向を詳細に分析した月次報告書です。
野菜の生育状況および価格見通しでは、降水過多により一部野菜で生育に遅れが見られるものの、全体的には平年並みから平年をやや上回る見込みとなっています。主要品目では、だいこんとにんじんで出荷数量は平年を下回り価格は平年をやや上回る見込み、はくさい、きゃべつ、ほうれんそうは出荷数量、価格ともに平年並みの見通しとなっています。
野菜の卸売価格動向(8月5日東京都中央卸売市場)では、品目別の平年比較で明確な価格変動が確認されています。キャベツが84%、ねぎが103%、はくさいが86%、ほうれんそうが105%、レタスが117%と前年を下回る品目がある一方、きゅうりが103%、トマトが126%、なすが93%、ピーマンが129%、だいこんが96%と品目により価格変動に大きな差が生じています。
主要野菜17品目の小売価格動向(調査日:令和7年7月11日、9都市100店舗でのALIC調査)では、キャベツが148円/kg(平年比93%)、きゅうりが567円/kg(同114%)、白菜が869円/kg(同111%)、青ねぎが1,659円/kg(同111%)、はくさいが239円/kg(同114%)、ほうれんそうが1,156円/kg(同115%)となっています。
主要野菜8品目(令和7年7月28日の週)の農水省調査では、調査対象8品目(キャベツ、ねぎ、レタス、ばれいしょ、たまねぎ、きゅうり、トマト及びにんじん)の価格は、前週比で−2%〜+4%、平年比で−11%〜+24%の範囲内となっています。具体的には、キャベツが161円/kg(平年比93%)、ねぎが907円/kg(同108%)、レタスが361円/kg(同107%)、ばれいしょが423円/kg(同89%)、たまねぎが341円/kg(同109%)、きゅうりが640円/kg(同116%)、トマトが783円/kg(同118%)、にんじんが579円/kg(同124%)となっています。
野菜消費動向(令和7年6月)では、6月の生鮮野菜の一人当り購入数量は4,309g(前月比92%、前年同月比98%)となり、主要5品目のキャベツが446g(前月比84%、前年同月比95%)と減少傾向を示しています。
記事は、降水過多の影響で一部野菜に生育遅れが見られるものの全体的には安定した供給が維持されており、品目別の価格変動と消費パターンの詳細な分析により野菜市場の現状を包括的に示しています。