農林水産省:畜産・食肉・鶏卵

農林水産省の「畜産・食肉・鶏卵」は、我が国の食肉・鶏卵産業の現状と政策的取り組みを詳述したものです。

食肉産業では、肉用牛飼養戸数が約4万3,200戸(前年比4.2%減)、飼養頭数が約247.8万頭(同1.1%減)となっていますが、1戸当たりの平均飼養頭数は57.4頭(前年比3.2%増)と規模拡大が進んでいます。肉用牛の内訳は繁殖雌牛が約58.7万頭、肥育牛が約189.1万頭で、和牛(黒毛和種)が全体の約42.3%を占めています。

牛肉生産では年間約33.2万トン(枝肉ベース)を生産し、このうち和牛が約12.8万トン(38.6%)、乳用種去勢が約9.4万トン(28.3%)、交雑種が約11.0万トン(33.1%)となっています。地域別では鹿児島県が最大の産地で年間約4.1万トン、北海道が約3.8万トン、宮崎県が約2.9万トンと続いています。

豚肉産業では養豚農家数が約3,850戸(前年比6.1%減)、飼養頭数が約888.2万頭(同2.3%減)ですが、1戸当たり平均飼養頭数は2,306頭(前年比4.0%増)と大規模化が進展しています。豚肉生産量は年間約91.8万トン(枝肉ベース)で、主要産地は鹿児島県(約14.2万トン)、宮崎県(約10.7万トン)、茨城県(約8.9万トン)となっています。

鶏肉産業では採卵鶏飼養戸数が約2,180戸(前年比5.3%減)、飼養羽数が約1億3,520万羽(同1.8%増)、ブロイラー飼養戸数が約2,320戸(同4.7%減)、飼養羽数が約1億3,850万羽(同0.9%増)となっています。鶏肉生産量は年間約164.2万トンで、主要産地は鹿児島県(約27.8万トン)、宮崎県(約21.4万トン)、岩手県(約18.1万トン)です。

鶏卵産業では年間生産量が約258.4万トン(殻付き重量)に達し、1人当たり年間消費量は20.5kg(世界第3位)となっています。採卵鶏の1羽当たり年間産卵個数は平均324個で、飼養効率の向上により10年前から12.3%向上しています。主要産地は茨城県(約17.1万トン)、千葉県(約13.2万トン)、鹿児島県(約12.8万トン)です。

食肉処理では全国396か所の処理施設があり、年間処理能力は牛約75万頭、豚約1,785万頭、鶏約6億6,800万羽となっています。HACCP対応施設は全体の78.4%に達し、食品安全管理の高度化が進んでいます。また、と畜検査では獣医師による厳格な検査により、年間約120万頭の牛、約1,650万頭の豚の安全性を確保しています。

品質管理では食肉の格付制度により、牛肉はA5、A4等の格付けで品質の客観的評価を実施し、和牛の約68.2%がA4以上の高品質評価を受けています。豚肉では銘柄豚の開発が進み、全国で約280銘柄が登録されています。

流通・販売では食肉卸売市場が全国11か所で運営され、年間取扱量は牛肉約8.9万トン(国内生産の26.8%)、豚肉約23.4万トン(同25.5%)となっています。また、食肉小売業は約1万2,800店舗、食肉処理業は約850事業者が営業しています。

輸出促進では和牛肉輸出が2023年に過去最高の258億円を記録し、主要輸出先は香港(29.3%)、米国(28.7%)、台湾(12.1%)となっています。鶏卵も輸出拡大により約8.2億円(前年比24.7%増)の実績を上げています。

経営支援では「肉用牛肥育経営安定交付金制度」により、粗収益が生産費を下回った場合の差額の8割を補填し、年間約180億円の交付実績があります。また、「養豚経営安定交付金制度」でも同様の支援を行い、約85億円の交付を実施しています。

防疫対策では豚熱(CSF)対策として野生イノシシへのワクチン散布を実施し、発生農場数を2019年の66農場から2023年の8農場まで大幅に削減しています。鳥インフルエンザ対策では早期発見システムにより、2023年度は25農場で発生したものの迅速な殺処分により拡散防止を図りました。

環境対策では家畜排せつ物の適正処理により、年間約4,850万トンの堆肥を生産し、耕種農業での有効活用率は84.3%に達しています。また、アニマルウェルフェアの向上に向けて飼養管理指針を策定し、ストレス軽減型飼養システムの普及を推進しています。

記事は、食肉・鶏卵産業が国民の動物性タンパク質供給において中核的役割を果たし、安全・安心で高品質な畜産物の安定供給を通じて国民生活の向上と農業・農村の発展に貢献することが重要であると結論づけています。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。