日本銀行下関支店が2025年8月5日に発表した山口県の金融経済情勢について、概況と各分野の詳細な動向を分析したものです。
経済概況
山口県内の景気は緩やかに回復しており、需要項目別では複数の分野で改善傾向が見られます。公共投資は横ばい圏内で推移している一方、輸出は前年を下回りました。個人消費は着実に持ち直しており、住宅投資は弱めの動きとなっています。設備投資については増加している状況です。
生産面では持ち直しの動きが見られ、雇用・所得情勢を見ると労働需給は引き続きまっており、雇用者所得は改善しています。消費者物価の前年比は2%台後半となっています。
実体経済の詳細分析
個人消費関連では、百貨店・スーパー販売額、コンビニエンスストア販売額、ホームセンター販売額、ドラッグストア販売額がいずれも前年を上回っています。耐久消費財では、家電大型専門店販売額、乗用車新車登録台数も前年を上回る結果となりました。
設備投資面では、山口県短観(2025年6月調査)における企業の設備投資を見ると、2024年度実績は増加したほか、2025年度も増加計画となっています。建築物着工床面積(非居住用)は前年を上回りました。
生産活動については、鉱工業生産指数(5月)が前月比で上昇しています。業種別では、輸送機械は低下した一方、化学、汎用・生産用・業務用機械は上昇しました。
雇用情勢では、有効求人倍率が前月を下回ったものの、常用労働者数は前年を下回った一方、現金給与総額は前年を上回ったことから、雇用者所得は前年を上回っています。
金融情勢
預金・貸出はともに前年を上回って推移しており、貸出約定平均金利は前月を上回って推移している状況です。
記事は、山口県の景気が緩やかな回復基調にあり、個人消費や設備投資、生産活動など多くの分野で改善が見られることを、詳細な統計データとともに示しています。