国有財産現在額の全体概況
財務省は令和6年度末の国有財産現在額が140.4兆円に達したことを公表した。この金額は会計検査院への送付を経て国会報告される見込み値(令和7年9月3日時点)である。なお、道路・河川など国有財産台帳以外で管理される財産は含まれていない。
区分別財産構成の詳細
区分別の内訳では、政府出資等が106.5兆円と全体の約76%を占める最大項目となっている。土地は21.2兆円(約15%)、立木竹は4.1兆円を計上した。その他の財産として、建物3.3兆円、工作物2.4兆円、船舶1.6兆円、航空機0.9兆円などが含まれる。
分類別財産の管理体制
分類別では、普通財産が112.6兆円と全体の約80%を占め、行政財産は27.8兆円となっている。行政財産の内訳は、公用財産21.0兆円(庁舎等)、森林経営用財産5.1兆円、皇室用財産0.8兆円(皇居・御所等)、公共用財産0.8兆円(国営公園等)で構成される。
年度間増減の動向分析
令和6年度間の増減状況では、土地は数量87,569,781千平方メートル、価格212,811億円となった。建物は延床面積59,501千平方メートル(延)で価格33,852億円を記録している。政府出資等は50,976億円の増加、不動産信託受益権は203億円の増加を示している。
無償貸付状況の実態
国有財産無償貸付状況では、土地64,070千平方メートル(価格13,546億円)、建物40千平方メートル(延)(価格6億円)が無償貸付されている。これらは地方公共団体や公益法人等への政策的配慮に基づく貸付が中心となっている。
財政運営への影響と意義
国有財産は国の財政基盤として重要な役割を果たしており、適切な管理・活用により財政健全化に貢献している。特に普通財産の処分収入は国債償還財源として活用され、政府出資等は政策金融機関等を通じた経済政策の実現に寄与している。会計検査院による厳格な検査を経ることで、国有財産管理の透明性と適正性が確保されている。