調査結果の概要
厚生労働省は令和7年6月分の被保護者調査概数結果を公表した。被保護実人員数は1,988,497人となり、対前年同月比で21,735人減少（▲1.1％）と減少傾向が継続している。保護率は人口百人対1.61％を記録した。
世帯数・申請状況の動向
被保護実世帯数は1,645,202世帯で、対前年同月比5,443世帯減少（▲0.3％）となった。一方、保護の申請件数は20,897件と対前年同月比797件増加（+4.0％増）を示し、経済情勢の厳しさを反映している。保護開始世帯数は18,022世帯で前年同月比410世帯増加（+2.3％）となった。
世帯類型別の詳細分析
世帯類型別では、高齢者世帯が904,538世帯（構成割合55.3％）と過半数を占める。このうち単身世帯が843,197世帯（51.5％）、2人以上の世帯が61,341世帯（3.7％）である。高齢者世帯は前年同月比4,785世帯減少（▲0.5％）となった。
母子世帯は58,714世帯（3.6％）で、前年同月比3,560世帯減少（▲5.7％）と大幅な減少を示している。障害者・傷病者世帯計は412,652世帯（25.2％）で、前年同月比1,994世帯増加（+0.5％）となった。
扶助の種類別動向
扶助種類別では、医療扶助の受給人員が1,693,195人と最多を占める。生活扶助は1,680,307人、住宅扶助は1,690,417人となっている。介護扶助は445,320人で前年同月から増加傾向にあり、高齢化の進展を反映している。
統計の意義と活用価値
本調査は生活保護法に基づく基幹統計として、社会保障政策の立案と予算編成において重要な役割を果たしている。月次概数の迅速な公表により、経済情勢の変化に対応した政策対応が可能となり、地方自治体の保護費予算策定にも活用されている。