「ジェトロ対日投資報告2026」対日直接投資残高は過去最高を更新、日本成長戦略・地域未来戦略を踏まえた施策を推進
概要
ジェトロは、外国企業・外資系企業への情報提供と対日投資支援の参考材料として「ジェトロ対日投資報告2026」をまとめた。2025年の対日直接投資額は過去最高となり、負債性資本や米国からの流入が大きく寄与した。投資残高も過去最高を更新。AI、半導体、データセンター、エネルギーなど戦略分野での投資や、対日クロスボーダーM&A等の増加を報告している。政府は関連戦略を踏まえた投資促進プログラムを推進し、審査の高度化に向けJFICを設立した。
要点
- ジェトロは、外国企業の対日ビジネス検討と投資支援の参考となる包括的な報告書をまとめた。
- 2025年の対日直接投資額と年末時点の投資残高は、ともに過去最高を記録した。
- AI・半導体、データセンター、エネルギーなど戦略分野への投資が活況だった。
- 政府は関連戦略を踏まえた投資促進を掲げ、対日外国投資委員会(JFIC)を設立した。
概要
ジェトロは、外国企業・外資系企業が日本でのビジネスを検討する際の情報提供と、外国企業の対日投資支援に向けた参考材料の提供を目的に、「ジェトロ対日投資報告2026」をまとめた。
影響
JFICの設立により、政府は外国投資に伴う安全保障上のリスク管理を強化し、審査基準や関係省庁間の運用の一貫性を高めることで、日本市場の開放性と投資家が見通しを立てやすい環境づくりを図るとしている。
詳細
2025年の対日直接投資額は資産負債原則によるフロー・ネットで、負債性資本が前年比約10倍の4.1兆円へ増加し、寄与が大きかった。企業グループ間のファイナンスによる資金流入が大幅に増えたとみられる。国別では米国が最大で、シンガポールが2位、英国が3位。上位3カ国はいずれも前年比で大幅増となった。年末残高の上位国は米国、英国、シンガポールの順だった。
2025年1月から2026年6月までの対日グリーンフィールド投資では、米マイクロンテクノロジーによる広島県での次世代AI向け高帯域幅メモリ(HBM)を中心とした先端DRAM生産能力の増強、米GMI Cloudによる鹿児島県での大規模AIインフラ整備などがあった。データセンターや再生可能エネルギーにも投資が目立ち、世界的にも技術競争、エネルギー安全保障、産業政策を背景に戦略分野で大型投資がみられる。対日クロスボーダーM&A等は統計開始以降最多で、米国が最多の120件、そのうち83件は資本参加・出資拡大だった。
政府は「経済財政運営と改革の基本方針2026」で、潜在成長力の強化に向けて危機管理投資と成長投資を戦略的に実行する方針を示した。2026年策定の「日本成長戦略」「地域未来戦略」などに具体的方向性を反映し、両戦略を踏まえて「対日直接投資促進プログラム2026」を推進するとしている。2026年6月には、対内直接投資審査の高度化を目的とする関係省庁横断の枠組み、対日外国投資委員会(JFIC)を設立した。