防衛省、宇宙領域アドバイザリーボードの目的と討議内容を公表
概要
防衛省は、国家安全保障戦略を踏まえ、宇宙安全保障分野の対応能力を強化するため、宇宙領域アドバイザリーボードを設置している。ボードは、宇宙・科学・安全保障分野の有識者から民間の最新技術動向を踏まえた意見を聴取し、対応能力強化の課題や技術動向を討議する。会議は非公開だが、議事要旨は原則公表される。令和7年から令和8年にかけて、宇宙領域防衛指針、防衛能力強化、防衛と経済の好循環、光衛星通信などが議題となった。
要点
- 宇宙安全保障の対応能力強化に向け、有識者の知見を政策検討に取り込む。
- 民間分野の最新技術動向を踏まえて討議する。
- 会議は非公開で、議事要旨は原則公表される。
- 宇宙領域防衛指針や光衛星通信などを扱った。
概要
このボードは、国家安全保障戦略が掲げる宇宙空間の安全かつ安定した利用の確保と、宇宙安全保障分野の対応能力強化を背景に、防衛省が設けた意見聴取と検討の仕組みである。宇宙は経済・社会活動に不可欠と位置付けられており、防衛省は能力強化に当たり、民間分野で進む技術の変化を継続的に取り入れる必要があるとしている。
制度の中心的な役割は、宇宙領域を軸に、科学技術と安全保障の専門家から率直な意見を得て、政策上の課題と技術動向を整理することにある。担当部局は整備計画局参事官(宇宙担当)で、事務次官通達を根拠として運営される。
委員には、JAXA、JST、NICT、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学などに所属する専門家が含まれ、令和8年4月9日現在、JAXA理事長の山川宏が座長を務めている。
影響
国家安全保障戦略に基づき、経済・社会活動にとって不可欠な宇宙空間の安全かつ安定した利用等の確保に向け、宇宙安全保障分野の対応能力を強化する取組として位置付けられている。
防衛省は、対応能力強化の実現に当たり、民間分野の最新技術動向を絶えず取り入れることが不可欠としている。ボードは、そのために専門家から率直な意見を聴く仕組みである。
会議は非公開とする一方、議事要旨は原則として公表する運用である。
詳細
討議対象は、宇宙安全保障分野の対応能力強化に向けた課題と、宇宙領域を中心とする各分野の最新技術動向である。委員は、地球観測、衛星通信、宇宙以外を含む科学技術、安全保障などの専門家から整備計画局長が委嘱する。
ボードには座長を置き、整備計画局参事官が指名する。座長代理は座長が指名する委員が務め、座長不在時に職務を代理する。委員は再任を妨げられない。座長または座長代理が討議のため必要と認めて関係部局に協力を求めた場合、関係部局は関係者の出席や資料提供などに応じる。
委員は職務上知り得た秘密を在職中だけでなく、その職を退いた後も漏らしてはならない。会議自体は非公開で、議事要旨は原則として公表する。庶務は整備計画局参事官が処理し、手続の細部は座長または整備計画局長が定める。
第1回は宇宙領域防衛指針、第2回は宇宙領域における防衛能力強化に向けた今後の防衛省・自衛隊の取組、第3回は宇宙領域の施策を下支えする総合的な取組などを議題とした。
会議資料では、防衛力の変革の方向性、令和8年度宇宙関係予算、防衛と経済の好循環、国研・大学等との連携強化、防衛イノベーション、光衛星通信の最新動向などが扱われた。