金子国交相会見:新幹線3案件の環境対応と政府方針
概要
金子恭之国土交通大臣は、リニア中央新幹線静岡工区で静岡県とJR東海が自然環境保全協定を締結したことを報告し、着工に向けた節目を歓迎した。西九州新幹線では佐賀区間の環境影響評価を来年度から実施する合意を受け、必要な準備や調整を進める考えを示した。北陸新幹線のルート選定に関する与党内の議論についてはコメントを控えた。
要点
- 静岡工区は着工に向けた節目を迎えたが、まだスタート地点にある。
- 環境保全の履行確認は、国・県・JR東海の連携で続く。
- 西九州新幹線の佐賀区間は、フル規格整備を前提に評価手続きへ進む。
- 北陸新幹線の与党内の議論の進め方には判断を示さなかった。
概要
会見では、リニア中央新幹線静岡工区、西九州新幹線の佐賀区間、北陸新幹線敦賀-新大阪間という、整備段階や合意形成の状況が異なる3案件が取り上げられた。
大臣の説明は、静岡工区では環境保全を条件とする着工準備、西九州新幹線では環境影響評価に向けた協議の進展、北陸新幹線では与党内の議論の進め方へのコメントを控える内容となった。
会見は2026年7月21日に国土交通省会見室で行われ、金子恭之大臣が説明した。
主要数値
- 会見日
- 2026年7月21日
- 自然環境保全協定の締結式
- 7月18日(土)
- 金子大臣とJR東海社長の面会予定日
- 7月24日(金)
- 西九州新幹線の共同会見日
- 7月17日
- 環境影響評価の実施開始時期
- 来年度から
- 佐賀県との意見交換開始時期
- 昨年10月から
影響
静岡工区では、協定に基づく環境保全措置を着実に実施できるかが、地域の理解と工事推進に関わる。国は科学的・客観的な観点から実施状況を確認し、必要に応じてJR東海へ助言する方針を示した。
西九州新幹線では、佐賀県との合意により、整備議論が環境影響評価という具体的な手続き段階へ移る。今後は、地元への必要性・重要性の説明と、佐賀県をはじめとする関係者との議論が進められる。
北陸新幹線については、ルート案をめぐる法的根拠や公開性への疑問が示されたが、大臣は与党の議論方法への評価を避けたため、会見から政府としての最終判断は読み取れない。
詳細
静岡県庁で静岡県とJR東海の自然環境保全協定の締結式が行われ、水嶋国土交通事務次官が参加した。JR東海には、これまでの議論の成果である環境保全措置を協定に沿って実施し、地域の理解と協力を得ながら工事を進めることが求められる。
静岡工区の着工時期と開業時期は、JR東海から現時点では未定と説明されている。国土交通省は静岡工区モニタリング会議の体制を維持し、静岡県が新設する部会と連携して保全措置の実施状況を確認し、必要に応じてJR東海へ助言する。
金子大臣は7月24日にJR東海の丹羽社長と面会し、着工や開業の見通しを直接確認する予定だと述べた。
西九州新幹線の新鳥栖-武雄温泉間では、フル規格整備を前提に、水嶋事務次官と山口佐賀県知事が意見交換を重ね、環境影響評価手続きの実施などで合意した。国土交通省は評価に必要な準備・調整を進める。
北陸新幹線敦賀-新大阪間では、与党の整備委員会で議論が進み、小浜-京都ルートの桂川案が取りまとめられたとの前提で質問が行われた。大臣は、与党内の議論の進め方は与党が決めるものとして、国土交通大臣としてのコメントを差し控えた。