この記事は、今後1週間（6/30-7/4）の電力需給見通しと、夏季の電力安定供給に向けた取り組みについて報告したものです。
主要なポイント
1. 電力需給の安定確保
- 全エリアで予備率8%以上を確保（安定供給の目安3%を大幅に上回る）
- 東日本最大需要：155GW（7/2予想、猛暑日想定）
- 西日本最大需要：144GW（7/3予想）
- 太陽光発電の供給力：ピーク時40GW（全需要の20%相当）
2. 供給力の内訳と特徴
- ベースロード電源：原子力12基稼働で安定供給に寄与
- 火力発電：LNG在庫は適正水準（200万トン）を維持
- 再エネ：太陽光・風力の変動を広域連系でカバー
- 揚水発電：ピーク対応で最大25GW活用可能
3. 需要側の対策強化
- 産業用デマンドレスポンス：契約容量10GW（前年比+25%）
- 家庭用省エネ：スマートメーター活用で見える化推進
- クールビズ・節電：オフィスビルで平均5%削減達成
- 蓄電池活用：VPP実証で5GW相当の調整力確保
4. リスク要因と対応策
- 高温リスク：40℃超の異常高温時は予備率5%まで低下可能性
- 設備トラブル：老朽火力の計画外停止に備え予備機確保
- 送電線事故：基幹送電線の2ルート化で影響最小化
- サイバー攻撃：電力インフラのセキュリティ強化実施
5. 中長期的な電力安定供給への取り組み
- 蓄電池導入加速：2030年までに30GW導入目標
- 送電網増強：地域間連系線を現在の2倍に拡充
- 分散型電源：マイクログリッド構築で災害耐性向上
- 水素発電：2030年代の商用化に向けた技術開発
記事は、当面の電力供給に問題はないものの、脱炭素と安定供給の両立に向けた継続的な投資と技術革新が不可欠であると結論づけています。