第7章 美しく良好な環境の保全と創造
概要
国土交通省は、地球温暖化対策として、まちづくり、道路・交通、物流、住宅・建築物、上下水道、建設など幅広い分野の脱炭素化を進める。再生可能エネルギーや水素の利用、気候変動への適応、循環資源の活用、生物多様性や水環境の保全も扱う。水道・下水道の基盤強化、海洋環境や生活環境の改善、地球環境の観測・予測まで、制度や実施状況を分野別に示している。
要点
- 地球温暖化対策では、2050年ネット・ゼロと温室効果ガス削減目標を掲げ、国土交通分野の脱炭素化を進める。
- 道路・交通、物流、住宅・建築物、上下水道、建設などで省エネ、非化石化、再生可能エネルギー導入を推進する。
- 循環資源の利用、生物多様性の保全、河川・海岸・港湾の環境改善、水循環の維持・回復を進める。
- 気象・海洋・地球環境の観測、監視、予測を行い、政策や適応策に活用する。
概要
第7章「美しく良好な環境の保全と創造」は、地球温暖化対策、循環型社会、自然環境、水循環、海洋環境、生活環境、地球環境の観測・監視・予測を扱う。各分野で制度、計画、支援、施設整備、関係者間の連携などを組み合わせて施策を進める構成である。
気候変動対策では、温室効果ガスの排出削減と、気候変動の影響に備える適応策の双方を推進する。政府の気候変動適応計画に基づき、総合的・計画的に取り組む。
影響
2025年1月28日の埼玉県八潮市の下水道管路破損事故では、トラック1台が巻き込まれ、運転手が死亡した。約120万人に下水道の使用自粛が求められた。
閉鎖性海域では赤潮や青潮が発生し、漁業被害等が生じている。漂流ごみや油による環境悪化、船舶の航行への影響も記載されている。
詳細
地球温暖化対策では、まちづくりGX、環境性能に優れた自動車の普及、道路脱炭素化基本方針に基づく計画策定、公共交通利用、物流の効率化を進める。鉄道・船舶・航空・港湾では省エネや燃料転換、住宅・建築物では省エネ基準適合や改修支援、上下水道・建設分野では省エネ、創エネ、低炭素資材の活用等を進める。
再生可能エネルギー等の利活用では、洋上風力、ダム・河川の未利用水力、下水道バイオマス、インフラ空間の太陽光発電、水素燃料車両・船舶の開発や導入を扱う。気候変動適応策は、気候変動適応法に基づく政府計画に沿って実施する。
循環型社会の形成では、建設資材の再資源化、下水汚泥の肥料利用、港湾を活用した循環資源物流、廃棄物海面処分場の整備、自動車・船舶の適正なリサイクル、公共工事等でのグリーン調達、建築物への木材利用を推進する。
自然環境の分野では、生物の生息・生育地の保全・再生、多自然川づくり、外来種対策、海岸・港湾環境の改善、都市やブルーカーボン生態系を活用した吸収源対策を進める。水循環では、流域マネジメント、水質浄化、水資源の安定供給、雨水利用、地下水の適正な保全・利用を扱う。
水道では広域連携、施設配置の最適化、官民連携、資産管理と水質対策を進める。下水道では汚水処理施設の整備に加え、管路の点検・更新、事業の広域連携、経営健全化、官民連携を扱う。
生活環境対策として、自動車の排出ガス・騒音、空港・鉄道騒音、ヒートアイランド、シックハウス、ダイオキシン類、アスベスト、建設機械の排出ガスに対応する。地球環境の観測・予測では、温室効果ガス、異常気象、海洋、オゾン層などを観測・監視し、気候変動予測や測地観測を進める。