日本銀行発券局は2025年7月31日、日銀レビューとして「新しい日本銀行券の流通状況について」を公表した。2024年7月3日に発行開始された新しい日本銀行券への切替は着実に進んでいるが、銀行券発行残高に占める新しい日本銀行券の比率は、2004年の前回改刷時よりも低位で推移している。
この現象の背景として、①銀行券発行残高の増加、②銀行券受払高の減少、③社会情勢の違いを映じた新しい銀行券への需要の強さの違いが影響していると分析されている。特にキャッシュレス化の進展など、現金を取り巻く環境の大きな変化が要因として挙げられている。
日銀レビューでは、これらの要因を詳細に分析し、現在の流通状況を2004年の前回改刷時と比較検討している。日本銀行は今後とも新しい日本銀行券の円滑な流通に万全を期して取り組む方針を示している。この分析は、現金需要の構造変化を理解する上で重要な資料となっている。