投資決定の概要
トヨタの欧州統括会社トヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME)は9月3日、チェコ政府との合同記者会見で、完全子会社のトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・チェコ(TMMCZ)がバッテリー式電気自動車(BEV)の生産を既存工場で開始すると発表した。
投資規模と政府支援
投資総額: 約6億8,000万ユーロ 政府支援: 最大6,400万ユーロをチェコ政府が専用バッテリー組み立て設備を対象とした投資優遇措置として支援 新規雇用: 245人の雇用創出を予定
現状と生産計画
TMMCZは現在、小型車「アイゴX」とコンパクトカー「ヤリス」を生産しており、2024年の年間生産台数は22万5,058台。2025年11月以降は「アイゴX」の生産はハイブリッドモデルのみに限定し、BEV生産ラインの拡張により多角的な事業戦略を推進する。
戦略的意義
TMEの中田佳宏・社長兼CEOは「先進技術を基盤としたこのプロジェクトは、当社の欧州市場でのプレゼンスを強化し、よりクリーンで効率的なモビリティーソリューションへの移行に貢献する」と発表。欧州での2040年までのカーボンニュートラル達成に向けた重要な計画の一環として位置づけられている。
チェコ政府の評価
ペトル・フィアラ首相は「他の国々も電気自動車製造への投資誘致を図る中、トヨタという有力な外国投資企業をチェコが獲得できた」と評価し、チェコの国際競争力向上とイノベーション支援への期待を表明した。