アフリカ・シンガポール・ビジネス・フォーラム開催
日本の第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の翌週、シンガポールで8月26~28日に第8回アフリカ・シンガポール・ビジネス・フォーラム(ASBF)が開催され、対アフリカビジネスについて活発な議論が行われた。
地政学的危機への認識と地域連携の重要性
現状認識: シンガポールのグレース・フー持続可能性・環境相兼貿易担当相は、過去70年間支配的だったルールに基づく世界貿易秩序が保護主義の台頭と経済の分断によって危機に瀕していると警告した。
制度的連携の必要性: アフリカと東南アジアのような開発途上地域にとって、これは成長を阻害する逆風であるため、投資と持続可能性を促進するために制度的連携を強化することが必要と訴えた。
アフリカと東南アジアの経済連携戦略
FTAとRCEPの枠組み活用: シンガポールが自由貿易協定(FTA)を推進し、主要経済国とパートナーシップを構築しつつASEANを地域的な包括的経済連携(RCEP)協定など、より広範な地域的枠組みのハブとして位置付けてきた実績を踏まえ、アフリカでも東アフリカ共同体(EAC)などの地域機構に加え、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)構想の進展への期待を示した。
同等な経済規模と成長ポテンシャル: アフリカと東南アジアは、経済規模が同等で、若く、急成長を遂げている地域として協力し、互いの強みを補完し合うことができると評価した。
具体的成功事例と市場アクセス戦略
Tyme Groupの成功事例: 南アフリカ共和国のTyme Groupがシンガポールをグローバル本社に選び、フィリピンへの進出も成功させた事例を挙げ、アフリカ企業がシンガポールのネットワークを活用してASEAN諸国やそれ以外の地域市場へアクセスできる可能性を示した。
パネルディスカッション: アフリカの都市問題への対応、拡大する消費者市場、エネルギー転換に関するパネルディスカッションでは、アフリカ側の意見やニーズを聞きながらパートナーシップを組んで取り組むことの重要性が指摘され、アフリカ・シンガポール双方企業の取り組みが活発に議論された。