国際農林業協働協会（JAICAF）が発行する機関誌「国際農林業協力」Vol.47 No.4について公表したものです。
本号では、中南米地域における農林業協力と環境保全をテーマとした特集が組まれており、ブラジル、ペルー、エクアドル、中米諸国などでの森林保全、持続可能な農業、生物多様性保護などの協力事例が詳細に報告されています。特に、アマゾン熱帯雨林の保全と持続可能な利用、アンデス高地農業の技術改良、コーヒー・カカオなどの換金作物の品質向上に関する協力活動が重点的に取り上げられています。
気候変動対策の観点から、森林減少・劣化防止（REDD+）の取組、炭素固定技術の普及、気候変動適応型農業の推進などの事例が紹介されており、地球環境保全と地域開発の両立を目指した協力アプローチが展開されています。また、先住民コミュニティとの協働による森林管理、伝統的農業知識の活用と保全についても報告されています。
農業技術協力では、有機農業の普及、土壌改良技術の導入、灌漑システムの改善、農産物の付加価値向上などの取組が紹介されており、小規模農家の所得向上と農村経済の活性化に向けた支援が行われています。
記事は、中南米地域における日本の農林業協力が、環境保全と持続可能な開発の調和を重視し、現地の社会・文化・環境条件に配慮した包括的なアプローチにより、地域の持続可能な発展に貢献していることを示しています。