東南アジア最大級の風力発電所「モンスーン」、商業発電を開始

プロジェクトの概要

東南アジア最大級でラオス初となる陸上風力発電所「モンスーン陸上風力発電」が8月22日、商業運転を開始した。ラオス南部のセコン県ダクチュン郡とアタプー県サンサイ郡の標高1,100~1,700メートルの山岳地帯に建設され、4.5メガワット(MW)の風力発電機133基を備えて総出力は600MWに達する。

建設スケジュールと運転開始

2023年4月に正式着工し、当初は2025年12月の全面稼働を計画していたが、7月に66基(300MW)で試験運転を開始。133基全てが稼働に至ったことで、当初計画より4カ月前倒しでの商業運転開始を実現した。

電力供給システム

発電される電力は全量がベトナム電力公社(EVN)向けとなる。27キロに及ぶ500キロボルト(kV)送電線でラオス・ベトナム国境に送電され、その後ベトナム側の44キロの送電網に接続してタンミー変電所に送られる仕組みとなっている。

ASEANパワーグリッド構想のモデルケース

このプロジェクトは、ASEANパワーグリッド構想(APG)に沿ったモデルケースと位置づけられている。APGは、ASEAN域内で電力を相互融通し、再生可能エネルギーを広域で活用する取り組みである。

環境・社会的効果

EVNへの25年間の売電期間を通じて、累計約3,250万トンの二酸化炭素(CO2)排出削減が見込まれる。この削減量は、自動車約700万台が1年間走行を停止した場合、あるいは約5,900万本の植林(25年分)に相当する効果を持つ。

地域コミュニティへの配慮

プロジェクトでは住民の移転は発生しておらず、コミュニティー開発基金として年間110万ドルが拠出される。同基金は教育・医療・農業・インフラ整備などの地域支援を目的とし、留学奨学金制度、移動診療サービス、コーヒー栽培による生計支援プログラムなどを実施している。

ラオスの風力発電開発動向

他の大型プロジェクトとして、北部でCGNパワー(中国広核集団)による556MW規模の開発計画が進行中であり、中部ボリカムサイ県でラオ・ベト・エナジーによる750MW規模のプロジェクトも計画されている。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。

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