日本銀行が2025年7月分の消費活動指数を公表しました。個人消費の動向を月次で把握する重要指標で、GDPの約6割を占める個人消費の速報性の高い分析が可能です。
2025年7月の消費活動指数(季節調整済、2015年基準=100)
主要指数
- 名目消費活動指数: 114.30
- 実質消費活動指数: 99.40
- 名目消費活動指数(旅行収支調整済): 112.30
- 実質消費活動指数(旅行収支調整済): 97.66
実質指数の内訳
- 実質消費活動指数プラス: 99.86
- 実質耐久財指数: 104.87
- 実質非耐久財指数: 90.00
- 実質サービス指数: 105.96
指数の意義と特徴
消費活動指数は、財とサービスに関する各種の販売・供給統計を基礎統計として作成されており、以下の特徴があります:
- 包括性: 国民経済計算・確報の家計消費と同様の変動を示す
- 速報性: 毎月第5営業日に前月分を公表(確報値より大幅に早い)
- 安定性: サンプルに起因する振れが小さい
- 相関性: 各種マインド指標との相関が高い
分析の視点
7月の実質消費活動指数は99.40となり、2015年基準を若干下回る水準となっています。形態別では:
- 耐久財(104.87)は基準年を上回る堅調な推移
- 非耐久財(90.00)は基準年を下回る水準
- サービス(105.96)は基準年を上回る好調を維持
名目値と実質値の乖離(114.30 vs 99.40)は物価上昇の影響を反映しており、旅行収支調整の有無による差も、国際的な人の移動に伴う消費パターンの変化を示しています。
データの活用
本指数は分析目的に応じて使い分けが可能で、名目値・実質値、旅行収支調整の有無、形態別内訳など、様々な系列が提供されています。金融経済分析において、短期的な消費動向を把握する上で重要な指標となっています。