三者間協力覚書の締結
ジェトロと一般社団法人九州経済連合会は、台湾貿易センター(TAITRA)との三者間で、2025年9月5日に協力覚書を締結した。この覚書は台湾企業の九州への投資や両地域企業間の協業の促進等を目的としており、日台間経済交流のより一層の活性化を図る。
三者の役割分担:
- ジェトロ: 外国企業誘致のノウハウを提供
- 九州経済連合会: 九州企業や各種団体とのネットワークを活用
- TAITRA: 台湾企業ネットワークを通じた企業間連携を支援
主な取り組み内容
1. 情報発信・提供:
- 九州の投資環境に関する情報発信・提供
2. 投資誘致活動:
- 台湾企業による九州・周辺地域への投資環境視察ミッションの組成
- 九州投資誘致セミナー等の開催
3. 拠点設立支援:
- 九州における台湾企業の拠点設立に係る支援
- 法務・税務等のコンサルテーション
- 一時的なオフィススペースの提供
- 立地情報の提供
4. ビジネスマッチング:
- 台湾企業と同地域の取引・協業候補企業とのビジネスマッチング支援
ジェトロの体制強化
九州広域半導体等誘致推進本部の設置: ジェトロは9月1日、ジェトロ福岡に「九州広域半導体等誘致推進本部」を設置し、域内のジェトロ事務所と連携して、関連企業の誘致や協業支援を加速させる。
既存の支援体制: 2023年9月にはジェトロ熊本に「熊本・半導体分野等外国企業支援デスク」を開設済み。対日投資誘致の取り組みにおいて、半導体を最重要分野のひとつと位置づけ、九州への誘致活動を強化している。
各機関の戦略的取り組み
九州経済連合会の方針: 「新生シリコンアイランド九州」の実現を目指し、会員企業や大学、行政、各種団体などと連携して多様なネットワークを活用。台湾企業の九州進出や日台企業の協業を支援することで、九州における更なる産業の振興に取り組む。
TAITRAの体制強化: 2025年4月に福岡の拠点を機能強化するかたちで「台湾貿易投資センター」を設立。半導体分野をはじめとする台湾企業の九州進出や九州企業との協業を日台双方から支援する体制を強化。
各代表者のコメント
ジェトロ理事長 石黒憲彦氏: 「現在、40社近い台湾企業の九州進出案件を支援中です。九州の産業エコシステムが持つ強みや魅力を世界に向けて発信することにも注力してまいります。」
九州経済連合会会長 池辺和弘氏: 「九州はアジアに近く、国際的なビジネス展開において大きな可能性を秘めています。今回の連携により、台湾との経済交流が一層活性化され、重要な産業基盤である半導体をはじめとして地域産業の競争力向上にもつながると確信しています。」
TAITRA会長 黄志芳氏: 「両地域が長年にわたり築き上げた緊密且つ友好的な経済関係が、投資を中心に戦略的に発展することに期待しています。」