[BBLセミナー]改めて、公的統計の「利活用」とは?【議事録】

公的統計の利活用の現状と課題、今後の展望について、統計行政の第一線で活躍する専門家が講演した内容を報告したものです。

わが国の公的統計は、本来は行政目的(補助金の算定根拠など)で調査・作成されるものですが、せっかく集めたデータの有効活用という観点から、学術研究や政策立案への二次利用が推進されています。政府統計の総合窓口「e-Stat」では、基幹統計や一般統計調査の結果が公開され、年間で相当数のアクセスがあります。今後重要になるのが、統計法上の制約が緩い業務統計(行政活動を通じて得られた情報の統計化)で、市町村レベルの詳細な情報を含むため、利活用の大きな可能性を秘めています。

統計調査の調査票情報の二次利用については、国民のプライバシー意識の高まりと研究者のニーズのバランスを取りながら、段階的に改善が進められています。従来は電子媒体での貸し出しが中心でしたが、漏洩リスクを低減するため、2015年からは大学内にセキュリティの高いオンサイト施設を設置し、生の調査票情報へのアクセスを可能にしました。さらに2024年3月末には、一元的な二次利用のオンライン窓口「miripo」を立ち上げ、各省の申請手続きを統一化しました。

最新の取り組みとして、研究室から統計センターのデータに直接アクセスできるリモートアクセス方式が導入されました。現在は科研費などの公的研究に限定されていますが、今後対象範囲を拡大する予定です。これにより、電子媒体の貸し出しが不要となり、漏洩リスクの大幅な低減が期待されます。また、申請から提供までの処理日数も大幅に短縮され、審査状況をオンラインで随時確認できる「見える化」も実現しました。

人材面では、統計部門の定員が2024年度に88人増員されましたが、専門知識を持つ人材の確保が課題となっています。このため、行政内部の統計資格制度を設け、調査の企画や実査指導ができる職員を認定する仕組みを導入しました。また、総務省の統計専門職員を各省に出向させるなど、省庁間の連携も強化しています。

記事は、統計の標準化や用語統一、分析・利活用を目的とした新たな統計体系の整備、ビッグデータを活用した「当てにいく統計」の開発など、今後取り組むべき課題を提示し、日本が国際標準の構築リーダーとなる潜在力を持っていると結論づけています。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。