ジェトロ・アジア経済研究所が主催する2025年度夏期公開講座は、アジア、中東、アフリカ、ラテンアメリカ地域の政治・経済・社会情勢について、専門性の高い知識を一般向けに提供する重要な教育プログラムです。全9コースで構成され、8月26日から9月30日にかけて開催される本講座は、日本の国際理解促進と学術研究の社会還元を具現化した取り組みとして注目されます。
今年のプログラムは現代世界の複雑な課題を多角的に扱っており、特に注目すべきは「ろう者と国家、教育の交差:アジア・アフリカ・ラテンアメリカにおける言語資本としての手話」というユニークなテーマです。これは、言語的多様性と社会包摂の観点から国際発展を考察する先駆的なアプローチを示しています。「岐路に立つバングラデシュ」は、南アジア地域の政治変動が地域経済に与える影響を分析し、日本企業の投資戦略にも重要な示唆を提供します。
中東情勢については、「中東の紛争を知るために―サウジアラビア、UAE、エジプト、イランの地域戦略―」「中東におけるクルド勢力と国際関係―トルコとシリアを中心に―」の2コースで、エネルギー安全保障と地政学的リスクの両面から包括的に検討されます。これらの知見は、日本のエネルギー政策や中東諸国との経済関係構築において重要な基礎知識となります。
ASEAN経済については、2コースに分けて詳細に扱われます。「ASEAN経済1―インドネシア、フィリピン、ミャンマー」「ASEAN経済2―タイ、マレーシア、ベトナム」では、各国の経済発展パターンと投資環境の変化を分析し、日本企業の東南アジア戦略立案に直結する実践的知識を提供します。
台湾情勢については、頼政権の課題を前編・後編の2回に分けて詳細に分析します。「台湾頼政権の課題(前編)ー波乱に満ちた経済への対応、難しさを増す理想の追求」「台湾頼政権の課題(後編)ー内外の難問のなかで困難な舵取りを迫られる政権運営」を通じて、台湾海峡情勢と東アジア経済への影響を考察し、半導体産業を含む日台経済関係の将来展望を提示します。
「韓国・李在明新政権の外交・通商戦略と経済・社会政策」では、韓国の政権交代が北東アジア地域の経済統合と日韓関係に与える影響を分析し、両国間の経済協力の新たな可能性を探ります。オンライン開催により全国からの参加が可能であり、賛助会会員は無料、一般参加者も4,000円という手頃な受講料で最先端の地域研究にアクセスできる貴重な機会となっています。