アジア経済研究所が2025年8月29日に開催したオンライン講座「岐路に立つバングラデシュ」について、バングラデシュの政治・経済情勢とインドとの関係変化を多角的に解説したものです。
バングラデシュの現状
2026年に後発開発途上国(LDC)卒業を控えたバングラデシュは、2024年8月のハシナ政権崩壊により大きな転換点を迎えています。現在はユヌス首席顧問のもとで暫定政権が樹立され、総選挙の準備が進められています。ハシナ=モディ体制で推進されてきた連結性事業や広域経済圏構想の先行きには不透明感が強まっています。
バングラデシュ・インド関係の悪化
2024年8月のハシナ政権崩壊以降、バングラデシュとインドの関係は著しく悪化した状態が継続しています。歴史的に密接な関係を維持してきた両国関係の変化は、南アジア地域全体の政治・経済情勢に重要な影響を与える可能性があります。特に、ハシナ前首相とインドのモディ首相の下で進展してきた二国間協力プロジェクトの継続性に懸念が生じています。
環ベンガル湾連結性構想への影響
南アジアと東南アジアを結ぶ環ベンガル湾連結性構想についても、バングラデシュの政治変化により重要な見直しが必要となっています。この構想は両地域の経済統合と発展にとって戦略的に重要な意味を持っており、バングラデシュの参加と協力が不可欠な要素となっています。政権交代により、これまでの取り組みと今後の課題・展望について新たな検討が求められています。
講座の構成
本講座は13時30分から16時まで開催され、ジェトロの安藤裕二海外地域戦略主幹によるバングラデシュ最新情報、アジア経済研究所の村山真弓理事によるバングラデシュ・インド関係の解説、梅﨑創開発研究センター長による環ベンガル湾連結性構想の分析、そして講師全員によるパネルディスカッションで構成されています。
記事は、バングラデシュが政治的転換期にあり、インドとの関係悪化や広域連結性構想への影響など、地域全体の戦略的課題に直面していることを専門的視点から包括的に分析したと評価しています。