日本銀行北九州支店が2025年7月25日に公表した北九州・京築地区の金融経済概況について報告している。
当地区の経済は緩やかに回復しているものの、回復のペースは鈍化している。個人消費については、サービス消費を中心に持ち直しの動きがみられるが、一部で弱めの動きも観察される。設備投資は製造業を中心に増加傾向にあるが、中小企業では慎重な姿勢が続いている。
生産活動では、自動車関連産業や鉄鋼業において一定の回復がみられるものの、半導体関連や化学工業では調整局面が続いている。雇用情勢は改善傾向にあり、有効求人倍率は高水準を維持しているが、労働力不足が深刻化している業種もある。
物価動向については、エネルギー価格の安定化により上昇圧力は和らいでいるが、サービス価格や人件費の上昇により緩やかな物価上昇が続いている。金融面では、資金需要は設備投資や運転資金を中心に底堅く推移しており、金融機関の貸出姿勢は積極的である。
先行きについては、個人消費の持ち直しや設備投資の増加により緩やかな回復が続くと予想されるが、世界経済の不確実性や原材料価格の動向には注意が必要とされている。