内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部が発表した2025年4-6月期四半期別GDP速報(1次速報値)における推計方法の変更に関する説明文書です。
季節調整について、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して設定してきた異常値処理のダミー変数は、統計委員会国民経済計算体系的整備部会における議論を踏まえ、2024年7-9月期四半期別GDP速報(2次速報値)以降、当面の間は引き続き、外れ値の判定に用いる信頼区間を99%として加法型異常値処理のダミー変数を設定することとしています。設定したダミー変数については、毎回の四半期別GDP速報の公表時に併せて公表されます。
R&D(研究・開発)の産出額については、市場生産者分の産出額を直近の第一次年次推計値をベンチマークとしつつ、直近で利用可能となる「全国企業短期経済観測調査」(短観)における研究開発投資額等に基づき推計を行っています。非市場生産者である対家計民間非営利団体分及び一般政府分のR&D産出額は、直近の第一次年次推計値をトレンドで延長推計して当年度値を求めた上で、前年度のパターンで四半期分割して推計しています。
2024年度及び2025年度中の各四半期におけるR&Dの産出額(市場生産者分計)については、2024年度の推計値が18.2兆円(対前年度比6.2%増)となっており、四半期別では4-6月期4.4兆円(同6.4%増)、7-9月期4.5兆円(同6.2%増)、10-12月期4.6兆円(同6.0%増)、1-3月期4.8兆円(同6.2%増)と推計されています。
記事は、GDP統計の精度向上のため、コロナ禍の影響を適切に処理する手法を継続し、R&D分野における堅調な成長を反映した推計手法の改善を進めていることを示しています。