ジェトロ調査部米州課が中南米地域（ブラジル、メキシコ、アルゼンチン、コロンビア、チリ、ペルー等）の2025年9月から11月までの政治・経済イベント日程について包括的に解説したものです。
9月の主要経済指標と政治イベント
9月は地域主要国の第2四半期経済データが集中的に発表される月です。ブラジルでは9月2日に第2四半期GDP、9月16～17日には中央銀行Copom（金融政策委員会）が開催されます。メキシコでは9月1日にクラウディア・シェインバウム大統領の第一次年次教書発表、9月9日に8月CPI・自動車関連統計が公表されます。アルゼンチンでは9月7日にブエノスアイレス州議会議員選挙、9月17日に第2四半期GDP発表が予定されています。
産業イベントとしては、メキシコ・レオンで自動車部品見本市「Foro de Proveeduría Automotoriz（FPA）2025」（9月10～11日）、コロンビア・メデジンで農業見本市「Expo Agrofuturo」（9月10～12日）、リマで食品展示会「Expoalimentaria 2025」（9月24～26日）が開催されます。
10月の経済動向と選挙
10月は第3四半期経済動向の評価が始まる月で、各国で重要な経済指標が発表されます。政治面では10月19日にボリビア大統領選挙決選投票、10月26日にアルゼンチンで国会議員選挙とサンティアゴ・デル・エステロ州知事・州議会議員・市長選挙が実施され、両国の政治情勢に大きな影響を与えます。
産業面では、コロンビア・ボゴタでコーヒー見本市（10月23～26日）が開催され、同国の主要輸出産業の動向が注目されます。
11月の第3四半期評価と国際会議
11月は各国で第3四半期GDP統計が本格的に発表される月で、コロンビア（11月18日）、チリ（11月18日）、メキシコ（11月21日）、ペルー（11月21日）の順で公表される予定です。ブラジルでは11月4～5日に中央銀行Copomが開催され、金融政策の方向性が示されます。
国際的な重要イベントとして、11月10～21日にブラジル・ベレンで国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議（COP30）が開催されます。これは気候変動対策に関する世界的な合意形成の重要な場となります。政治面では11月8日にボリビア大統領就任式、11月16日にチリで大統領選挙・国会議員選挙が実施され、地域政治の動向を左右します。
産業面では、メキシコシティでIndustrial Transformation Mexico 2025（11月11～13日）が開催され、同国の産業発展戦略が議論されます。
記事は、これらの経済統計発表、政治イベント、産業見本市が相互に関連しながら、中南米地域の経済統合と政治安定、持続可能な発展に重要な影響を与えることを示しています。