エチオピア経済統計発表
エチオピア統計局(ESS)が2025年8月15日に発表した消費者物価指数(CPI)データによると、2025年7月の年間上昇率は前年同月比13.7%となり、前月6月の13.9%から微減した。直近1年間は前年同月比18.6%から緩やかな低下傾向を維持している。
年度別インフレ率推移
2024年度(エチオピア財政年度:2024年7月8日~2025年7月7日)のCPI上昇率は16.0%を記録 改善傾向: 2023年度26.6%から大幅に低下、過去10年のピークだった2021年度33.8%から3年連続で改善 経済安定化: インフレ率の継続的低下はエチオピア経済の安定化を示す重要な指標
食料品分野の詳細動向
食料品・非アルコール飲料: 全体で12.1%上昇 最高上昇項目: 非アルコール飲料52.3%(主要輸出品のコーヒーを含む) 高水準維持: 油脂類25.1%(生活必需品) 中程度上昇: その他食品19.4%、野菜18.7%、砂糖・ジャム・蜂蜜・チョコレート16.9% 低水準上昇: 果物14.6%、肉12.1%、乳製品・チーズ・卵11.4% 価格下落: パン・穀物は1.9%減となり唯一のマイナス項目
非食料品分野の動向
非食料品全体: 16.1%上昇(食料品を上回る水準) 最高上昇: 交通51.5%(燃料価格高騰の影響) 高水準: その他商品・サービス22.1% 中程度: レストラン・ホテル16.7%、衣類・履物16.1%、住宅・水道・電気・ガス・その他燃料14.3%、家具・家庭用品14.0% 低水準: 通信10.4%、アルコール飲料・たばこ10.7%、教育7.6%、健康6.6%
為替市場動向
通貨安進行: エチオピア国立銀行(NBE)データでは、ブル安が継続 7月初: 1ドル=135.48ブルから 8月中旬: 1ドル=141.11ブルまで下落 影響: 140ブル台前半水準での推移が輸入インフレ圧力として作用
経済政策・展望への影響
インフレ率の改善傾向は金融政策の効果を示すが、通貨安進行と交通費・燃料費の高騰が今後のインフレ抑制の課題となる。