日本銀行京都支店が2025年7月に公表した京都府・滋賀県の金融経済概況について分析したものです。
京都府・滋賀県の景気は一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに回復しています。個人消費は一部に弱めの動きがみられるものの緩やかに持ち直しており、業態別では百貨店販売額が免税売上を中心に減少（前年比▲15.3％）、スーパー販売額が弱めの動き、コンビニエンスストア販売額が横ばい、ドラッグストア販売額が増加、乗用車販売が持ち直し（前年比＋6.7％）となっています。観光は増加ペースが鈍化しており、京都市内の主要ホテルの宿泊客数は前年比＋5.8％、客室稼働率87.2％、平均客室単価が前年比＋11.2％上昇しています。
設備投資は全体として増加傾向にあり、管内企業短期経済観測調査によると2024年度は前年度比＋3.2％、2025年度も5年連続で前年度を上回る計画（前年度比＋9.1％）となっています。住宅投資は増加ペースが鈍化しており、京都府の新設住宅着工戸数が前年比▲49.9％、滋賀県も前年比▲11.0％減少しています。公共投資は高水準で推移している一方、6月の公共工事請負金額は京都府内で前年比▲44.5％、滋賀県内で前年比▲26.7％減少しています。
生産は緩やかに持ち直しており、業種別では汎用・生産用・業務用機械が緩やかに増加、輸送用機械が横ばい圏内、電子部品・デバイスが低水準で推移している状況です。雇用・所得環境は緩やかに改善しており、京都府の有効求人倍率1.29倍、滋賀県1.02倍で前月と同水準となっています。物価は前年を上回っており、消費者物価指数（生鮮食品を除く総合）は京都市が前年比＋3.8％、大津市が前年比＋2.9％となっています。
記事は、京都府・滋賀県の景気が緩やかな回復基調にある一方、個人消費や観光の一部に弱めの動きが見られ、住宅投資の増加ペース鈍化などの課題もあることを示しています。