日本銀行仙台支店が2025年7月に公表した東北地域6県（青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島）の経済動向について分析したものです。
東北地域の景気は持ち直しており、各需要項目の詳細な動向が示されています。設備投資は増加しており、6月短観（東北地区）によると2025年度は能力増強投資や新製品開発投資、省力化投資、新規出店などが見られます。個人消費は緩やかに回復しており、ドラッグストアが増加、コンビニエンスストアが緩やかに持ち直し、乗用車の新車登録台数も持ち直している一方、百貨店は弱めの動き、ホームセンターは減少となっています。住宅投資については減少しており、住宅着工戸数は持家、貸家、分譲のいずれも減少している状況です。
生産面では鉱工業生産が持ち直しており、主要業種別では輸送機械が回復、生産用機械等が緩やかに回復、電子部品・デバイスが持ち直している一方、食料品は横ばい圏内の動きとなっています。雇用・所得環境は改善しており、労働需給は引き締まった状態にあり、雇用者所得は業種ごとのばらつきを伴いながらも増加しています。物価面では消費者物価（除く生鮮食品）が前年を上回っており、金融面では預金は個人・法人ともに概ね前年並み、貸出は個人向け・法人向けの増加により全体で前年を上回り、貸出金利は上昇しています。
記事は、東北地域の景気が持ち直しの傾向にあり、設備投資の増加や個人消費の緩やかな回復が見られる一方、住宅投資の減少など一部に弱い動きもあることを示しています。