2024―日本が抱えているエネルギー問題(前編)

資源エネルギー庁は2024年日本のエネルギー問題について包括的な分析を発表した。日本のエネルギー政策の根幹は「S+3Eの原則」にあり、安全性(Safety)を大前提として、エネルギー安定供給(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境への適合(Environment)の同時実現を目指している。

エネルギー安定供給の課題として、日本の自給率は2022年度で12.6%と極めて低く、OECD38カ国中37位に留まっている。東日本大震災前の2010年度は20.2%であったが、原子力発電所の停止により大幅に低下した。化石燃料依存度は2023年度で80.7%と高く、原油は90%以上を中東に、LNGや石炭はオーストラリアやアジア地域に依存している。今後はデータセンターや半導体工場の新増設により電力需要の増加が見込まれ、新たな対応が必要となっている。

経済性の観点では、電気料金が2010年度比で家庭向け35%、産業向け74%上昇している。2022年度は燃料価格高騰により料金が大幅上昇し、2023年度はやや低下したものの依然高水準にある。再生可能エネルギーの固定価格買取制度により、買取費用は4.8兆円に達し、一般世帯の月額負担は1,396円となっている。

環境対策として、日本は2050年カーボンニュートラル達成を宣言し、2035年度60%、2040年度73%のGHG削減目標を設定した。2022年度のGHG排出量11.4億トンの85%がエネルギー起源CO2であり、省エネや再エネ導入拡大による削減が急務となっている。

安全性確保では、激甚化する自然災害に対応するため電力インフラの強靱化を進めている。地域間連系線の整備や海底直流送電、関門連系線の増強を実施している。原子力発電所の再稼働では、従来より厳格な新規制基準への適合を義務づけ、事故防止対策とテロ対策を強化している。これらの課題解決には、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素の同時実現に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)の推進が不可欠である。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。