記者会見,片山財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和8年9月29日)について掲載しました。
概要
片山財務大臣は、飲食料品の消費税率引下げと就業者負担軽減支援金の導入準備に向け、総額1,119億円の予備費使用を閣議決定したと説明した。内訳は、レジ導入・改修支援に781億円、自治体税務システム等の改修に338億円。金融庁はブロックチェーンを用いた貿易決済実証を支援する。質疑では、日米の為替協力、金利動向への対応、金融検査体制の強化要求、金融システムを守るRCC的機能の重要性などを述べた。
要点
- 消費税率引下げ等の準備に総額1,119億円の予備費を充てる。
- 金融庁はブロックチェーンとステーブルコインを使う貿易決済の実証実験を支援する。
- 為替について日米当局間の緊密な連絡を続け、秩序ある市場の維持に取り組む。
- 金融システムや信用市場を守るため、RCC的機能をいざという時に発動できることが重要との認識を示した。
概要
9月15日閣議決定の大綱は、飲食料品にかかる消費税率引下げと就業者負担軽減支援金の導入を令和9年4月に実施する方針を定めた。大臣は円滑な実施に向け、直ちに準備に着手すると説明した。
貿易取引では、輸出入企業や金融機関の間で紙書類のやりとりが多く残る。支援対象の実証は、書類のオンチェーン化と、メガバンク3行等が共同発行を進めるステーブルコインとの連携により、書類の授受と代金支払いを連動させられるか検証する。
影響
大臣は、書類のオンチェーン化を通じて貿易実務のさらなる効率化・高度化を目指す前向きな取組と受け止め、金融庁が法令解釈等の面から実証の遂行を支援すると述べた。
大臣は、金融システムと信用市場を守るうえで、RCC的機能を常に備え、必要時に発動できることが重要だと述べた。
詳細
予備費のうち781億円は中小企業等のスマートレジ導入やPOSレジ改修への支援などに、338億円は地方公共団体の税務システムと公金受取口座登録システムの改修補助などに充てる。大臣は、支援金導入には自治体側の税務システム改修も必要だと説明した。
金融庁の決済高度化プロジェクト(PIP)は第4号の支援案件として、ブロックチェーンを活用する貿易決済の実証実験を決定した。
9月25日の米財務長官との電話会談で、金融市場について意見交換し、日米協力の強化と円の過小評価は問題との認識を再確認した。大臣は為替水準への具体的言及を控え、日米財務当局間の連絡を保ち、秩序ある為替市場の維持に取り組むとした。
長期金利の具体的な数値動向へのコメントは控えるとし、国債管理政策のため市場参加者との対話を続けるとした。大臣は、各国で金利上昇が見られ、日本以外でも歳出増加やハイパースケーラーによる社債市場での大規模調達があるとの見方を紹介した。
検査企画室は未設置で、令和9年度の機構定員要求として求めている。地域金融機関の不正事案や経営上の問題を踏まえ、検査・監督機能の強化、検査モニタリング人材の育成・確保、事後検証を通じた手法改善を検討している。
RCCについて、大臣は不良債権の発生率が低く、現時点で大きな変更が議論されている事実は把握していないと述べた。自身の着任は1996年で、北拓の破綻は1997年、長銀・日債銀は1998年だったと振り返り、公的資金投入システムや金融機能強化法を含む経験を日本市場の資産と位置づけた。