ミャンマーの貿易投資年報 2025年版
概要
輸出では天然ガスや農産品が減少し、縫製品や一部工業品の伸びが減少を一部抑えた。輸入は復旧需要や工場操業に必要な財を中心に増えた一方、燃料は減少した。貿易相手として中国の比重が高まり、外貨不足や輸入管理の強化から回復の持続性には不透明感が残る。2025/26年度の対内直接投資認可額は前年度比31.5%減で、政変前の水準を大きく下回った。
要点
- 輸出は天然ガス・農産品の減少を縫製品や工業品の伸びで一部補い、輸入は燃料減と復旧・操業関連財の増加が併存した。
- 貿易に占める中国の比重が高まり、輸入依存の強まりと貿易回復の不透明感が示された。
- 2025/26年度の対内直接投資認可額は大幅に減少し、製造業が最大の業種となった。
概要
貿易では、品目別に輸出入の増減が分かれた。天然ガスと農産品の輸出減を、縫製品や銅、ゴム、電気機械などの増加が一部補った。輸入では中部大地震後の復旧需要と工場の操業に必要な原材料・部品が増加要因となった一方、最大品目の鉱物性燃料は減少した。
中国は輸出先・輸入元の双方で首位となり、輸出入合計に占める割合は前年の27.8%から35.0%に上昇した。陸路国境貿易の不安定さに加え、外貨不足に起因する外貨管理と輸入ライセンス管理による抑制が厳しさを増しており、貿易回復の持続性は不透明とされる。
2021年2月の政変、各国の経済制裁、内戦の長期化、電力不足、厳しい外貨管理、輸入規制が、外国企業の投資意欲をさらに冷え込ませたと記されている。
影響
原文は、貿易構造の中国集中と国境貿易の不安定さ、外貨・輸入管理の強化を挙げ、貿易回復の持続性には不透明感があるとしている。
対内直接投資認可額は前年度比31.5%減で、政変前の2019/20年度の48億7,880万ドルと比べ10分の1以下の水準に落ち込んだ。
詳細
輸出上位品目は、鉱物性燃料が4.5%減の31億3,100万ドル、布帛衣類が2.2%増の26億2,500万ドル、野菜・根が20.9%減の15億6,200万ドル、ニット衣類が11.2%増の14億2,700万ドル、穀物が37.3%減の12億7,600万ドル。CMP委託加工では、免税輸入した原材料を安価な労働力で加工し、日本、欧州、韓国などからの受注が下支えした。銅は約3.5倍、ゴムは22.9%増、電気機械は29.7%増となった。
輸入額の28.3%を占める鉱物性燃料は7.5%減の41億8,900万ドル。電気機械・部品は2.2倍の9億7,300万ドル、鉄鋼は86.6%増の7億2,000万ドル、輸送機器は76.2%増の6億2,000万ドル、一般機械・部品は25.2%増の5億6,500万ドルだった。復旧用資材などには輸入ライセンスの優先発給が行われた。人造繊維の短繊維・織物は14.2%増の8億1,900万ドル、長繊維・織物などは13.2%増の6億800万ドルとなった。
輸出先は中国が24.7%増の43億1,200万ドルで構成比29.6%、タイが8.6%減の26億5,500万ドル、日本が8.4%増の11億6,400万ドル。インドは27.6%減の9億2,400万ドルで4位となった。中国・タイ向けは輸出額の47.8%、日本・インドを加えると62.2%を占めた。輸入元は中国が42.6%増の59億5,200万ドルで構成比40.2%、シンガポールが14.6%減の26億5,400万ドル、タイが37.6%増の16億100万ドルだった。
投資認可額の上位は中国が2億110万ドル(前年度比2.1倍)、総額の42.6%、シンガポールが1億5,500万ドル(66.3%減)、香港が5,490万ドル(81.5%増)で、上位3地域が87.0%を占めた。日本は新規1件を含む150万ドル(10.3%減)。業種別では製造業が2億4,520万ドル(34.2%増)で総額の51.9%、新規認可件数の94.1%。運輸・通信は1億3,140万ドル(49.8%増)、電力は6,880万ドルで8.1倍となった。