中国飼料産業の2024年実績と展望
農畜産業振興機構（ALIC）が2025年6月27日に発表した中国農業展望報告分析によると、中国の飼料産業は2024年に需要減少により生産量が減少したが、2034年まで安定的な成長が予測されている。
2024年飼料需給実績
生産・消費量の減少:
- 飼料生産量: 3億1503万トン（前年比2.1%減）
- 飼料消費量: 3億1162万トン（前年比2.5%減）
- 濃厚飼料: 1294万トン（前年比8.8%減）
- 配合飼料: 2億9354万トン（前年比2.3%減）
- プレミックス: 695万トン（前年比2.0%減）
畜種別消費動向:
- 養豚向け: 1億4222万トン（前年比4.3%減）、飼養頭数減少が影響
- 反すう動物向け: 1545万トン（前年比6.9%減）
- 水産向け: 2198万トン（前年比6.0%減）
- 肉用家きん向け: 9567万トン（前年比1.2%増）、飼養羽数増加
- 採卵用家きん向け: 3278万トン（前年比0.6%増）
飼料原料輸入の構造変化
エネルギー源原料の輸入:
- 総輸入量: 4872万トン（前年比15.8%減）
- トウモロコシ: 1378万トン（前年比49.2%減、大幅減）
- 大麦: 1424万トン（前年比25.7%増）
- こうりゃん: 866万トン（前年比66.1%増）
たんぱく源原料の動向:
- たんぱく源輸入量: 862万トン（前年比10.4%減）
- 大豆・菜種輸入量: 1億1100万トン（前年比6.7%増）
- 主要輸入先5カ国（ブラジル、米国、カナダ、豪州、ウクライナ）で87.0%
飼料価格の動向
大幅な価格下落:
- 養豚向け: 1kg当たり3.54元（72円、前年比9.4%安）
- 肉用鶏向け: 1kg当たり3.65元（74円、前年比8.6%安）
- 採卵鶏向け: 1kg当たり3.36元（68円、前年比8.9%安）
2034年までの長期展望
持続的成長予測:
- 2034年生産量: 3億3810万トン（基準期間比8.0%増、年平均0.8%増）
- 2034年消費量: 3億3488万トン（基準期間比7.9%増、年平均0.8%増）
- 国産トウモロコシ・大豆の単収向上により供給能力上昇
自給率向上と輸入依存度低下:
- 飼料原料自給率向上により輸入依存度は徐々に低下
- 輸入先多様化により安定的な原料確保
- 価格変動率も縮小予測