レポート一覧

社会保障研究 2025年6月刊~特集:地域共生社会の構築に向けた「住まい支援」の最先端

国立社会保障・人口問題研究所の「社会保障研究」2025年6月号は、「地域共生社会の構築に向けた『住まい支援』の最先端」を特集した。高齢化・単身化の進展により住まいの確保が困難な世帯が増加する中、住宅政策と福祉政策の連携による包括的な支援体制の必要性を提起。特集では、居住支援法人の活動実態、自治体における住宅・福祉部門の連携事例、民間賃貸住宅を活用した準公共的住宅ストックの可能性などを多角的に分析。...

令和6年度 東北地域における事業承継課題解決に向けた支援策及び連携体制構築等検討事業 報告書~自治体事業承継支援における効果的な施策・連携体制構築等の調査事業

東北経済産業局は、地域における事業承継支援の効果的な施策と連携体制構築について調査研究を実施した。宮城県登米市では商工会との連携強化、福島県喜多方市では金融機関を巻き込んだ支援体制、山形県酒田市・鶴岡市では広域連携による効率的な支援を実証。報告書では、自治体の規模や特性に応じた支援モデルを提示し、早期の事業承継準備の重要性を強調。また、支援機関の役割分担明確化、専門家派遣制度の活用、後継者マッチン...

管内企業の声からとらえる景況感と今後の見通し ~2025年5月期 近畿地域の地域経済産業調査結果~

近畿経済産業局の2025年5月期地域経済産業調査では、管内企業の景況感は総じて持ち直しの動きが続いている。製造業では、半導体関連やデータセンター向け需要が堅調に推移する一方、中国経済の減速や価格競争激化の影響を受ける業種もある。非製造業では、インバウンド需要の回復や大阪・関西万博関連の建設需要が追い風となっているが、人件費や原材料価格の高騰が収益を圧迫。設備投資は、老朽化対応に加え、脱炭素やDX関...

【記者会見】増審議委員(7月1日分)

日本銀行の増審議委員は7月1日の記者会見で、現在の金融政策運営について説明した。日本経済は緩やかな回復基調にあり、物価は2%目標に向けて上昇しているとの認識を示した。ただし、海外経済の不確実性や金融市場の変動リスクには注意が必要であると指摘。金融緩和政策の継続が適切であるとしつつ、副作用にも配慮する必要があるとの見解を述べた。また、賃金と物価の好循環の実現に向けて、企業の価格転嫁や賃上げの動向を注...

貿易と戦争、再検討【概要:日本語、全文:英語】

経済産業研究所の研究では、貿易と戦争の関係を実証的に再検討した。1816年から2014年までの国家間紛争データを分析した結果、二国間貿易が活発なほど武力紛争のリスクが低下することが確認された。特に民主主義国家同士では貿易による平和効果が顕著に現れるが、一方が権威主義体制の場合はこの効果が弱まるか消失する。この発見は、経済的相互依存だけでは平和を保証せず、政治体制の性質が重要な役割を果たすことを示唆...

視点・論点:景気安定化政策としての消費税減税

日本政策投資銀行は景気安定化政策としての消費税減税について分析した。消費税減税は短期的に個人消費を刺激し景気を押し上げる効果が期待される一方、財政健全化への影響や将来世代への負担転嫁の懸念がある。欧州各国でも物価高騰対策として付加価値税の一時的減税が実施された事例を検証し、その効果と課題を整理。日本においては、消費税減税の景気刺激効果は限定的である可能性があり、むしろ社会保障制度の持続可能性や財政...