令和8年度年次経済財政報告―成長型経済への本格的移行に向けた課題―第2章 経済の構造変化と家計への影響 — 第1節 賃金・物価・金利が変動する経済が家計に与える影響

|内閣府|元記事

概要

賃金・物価・金利が上昇する経済への移行に伴い、家計への影響は資産・負債、年代、所得、地域によって異なる。株式保有世帯や高齢世帯には資産価格・金利上昇の恩恵が生じる一方、住宅ローン世帯、地方部、低所得層では負担が大きくなりやすい。物価・金利・賃金を資産保有状況と併せて把握する必要がある。

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要点

  • 低温経済から、賃金・物価・金利が動く経済へ移行しつつある。
  • 家計への影響は、資産・負債の保有構造によって異なる。
  • 住宅ローン世帯、地方部、低所得層は負担が大きくなりやすい。
  • 所得だけでなく、金融資産と負債を含めた分析が重要である。

概要

我が国経済は、賃金と物価が低水準で変動の乏しい状態から、両者が相互に参照しながら緩やかに上昇する環境へ移行しつつあり、市場金利も上昇傾向にある。

家計の資産・負債や消費構造には年代、所得、住宅ローンの有無、地域などによる違いがあり、平均値だけでは影響の差を捉えにくい。

主要数値

短期金利の水準(2026年6月)
1%程度
長期金利の水準(2026年6月)
2%台半ば程度
家計金融資産(2025年度末)
約2,400兆円
株式・投資信託保有額(2025年度)
564兆円
住宅ローンの変動金利割合(2024年度末)
7割程度
金利上昇の試算前提(債務)
1%ポイント
金利上昇の試算前提(預金等)
0.6%ポイント
原油価格上昇の試算前提
50%程度

影響

金利上昇では、預金等を保有する世帯の受取利子が増える一方、住宅ローン世帯では支払利子が増え、特に現役世代の負担が大きくなりやすい。

株価上昇の恩恵は株式・投資信託を保有する世帯に集中し、住宅ローンを持たない高齢世帯や高所得世帯では金融資産が増えやすい。

原油価格上昇による家計負担は、ガソリン支出の割合が高い地方部や、エネルギー支出の割合が高い低所得層で相対的に大きい。

詳細

分析では、日本銀行の資金循環統計、総務省の消費者物価指数・全国家計構造調査、金融経済教育推進機構の調査などを用い、資産・負債の推移と世帯属性別の違いを確認している。

金利上昇、株価上昇、原油価格上昇について、家計の資産・負債や消費バスケットを基に機械的な試算を行い、年代、所得、住宅ローンの有無、都市階級別に影響を比較している。

物価・金利・賃金の変化を評価する際は、給与所得だけでなく、現預金、リスク性資産、住宅ローンなどの保有状況を併せて把握することが重要だと結論づけている。

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