日本銀行が2025年7月30日・31日に開催された金融政策決定会合における主な意見を公表したものです。
金融経済情勢に関する認識 わが国経済は一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復しているとの基調判断が示されました。先行きについては各国の通商政策等の影響を受けつつも純化するものの、その後は海外経済が緩やかな成長経路に復していくもとで、成長率を高めていくとみられています。
日米通商交渉への懸念 日米間の関税交渉の合意は大変大きな前進であり、日本経済にとって不確実性の低下につながるとの評価がある一方、前回の展望レポートのメインシナリオを書き換えるものではないが、これが実現する確度は高まったとの見方が示されました。
対米輸出の関税影響分析 日本からの対米輸出が多い業種は輸送用機器や大型機械などであるが、短観等において関税の影響が大きく広がっていない理由として、非製造業など関税の直接的な影響が少ない業種が調査対象として広くカバーされていることが影響している可能性があると分析されています。
通商政策の今後の影響 通商政策については、これまで発生してきた駆け込み輸出の影響が今後剥落し、さらに関税の負の影響が出てくる局面に入りつつあることに注意が必要であるとの指摘がなされました。
米国関税政策の分析課題 米国の関税政策の基本的な内容は固まったが、今後は米国経済において関税によるインフレがどの程度進んでいくのか、米国の消費者がそのインフレに直面して消費をどの程度減らしていくのか、様々な角度からの分析・調査が必要であるとの認識が共有されています。
記事は、日米通商交渉の進展を評価しつつも、今後の関税政策が両国経済に与える複合的な影響について多角的な分析が必要であると結論づけています。