米穀安定供給確保支援機構が2025年7月25日に公表した令和7年6月分の米の消費動向調査結果について報告している。
6月の米の消費量は前年同月比でやや減少となった。世帯当たりの消費量は、在宅勤務の定着や外食機会の変化により、家庭での米飯消費パターンに変化がみられる。特に、簡便性を重視した調理済み米飯や冷凍米飯の消費が増加している一方、従来の炊飯による消費は微減傾向にある。
価格面では、国際的な穀物価格の安定化により国産米の価格競争力は改善している。消費者の国産米への志向は依然として強く、特に産地や品種にこだわった購買行動が顕著にみられる。高品質米への需要は堅調で、プレミアム米の販売は好調を維持している。
年代別の消費動向では、高齢者世帯での消費量は安定している一方、若年世帯では米離れの傾向が続いている。しかし、健康志向の高まりにより、玄米や雑穀米などの機能性米への関心は各世代で高まっている。
外食産業では、コロナ禍からの回復により業務用米の需要が徐々に回復している。特に、観光地や都市部での飲食店の営業正常化により、業務用需要の改善が期待される。今後も消費者ニーズの多様化に対応した商品開発と販売戦略が重要となる。