公益社団法人米穀安定供給確保支援機構が令和7年7月4日に公表した、米取引関係者の需給動向や価格水準に関する毎月定例調査(令和7年6月分)の結果です。
主要なポイント
1. 調査の概要と目的
- 米の需給動向や価格水準などの取引状況を把握するための月次調査
- 米取引関係者へのアンケート結果をDI(Diffusion Index)として指数化
- 現状判断と3か月後の見通し判断の2つの観点から分析
- 数値が100に近いほど「締まっている/高い」、0に近いほど「緩んでいる/低い」と判断
2. 主食用米の需給動向の大幅な悪化
- 現状判断DI:52(前月比-36ポイントと大幅減少)
- 見通し判断DI:43(前月比-30ポイントと大幅減少)
- 前月(5月)の現状判断88、見通し判断73から急激に低下
- 需給が「締まっている」との見方が大きく後退し、「緩んでいる」方向へシフト
3. 主食用米の価格水準の低下傾向
- 現状判断DI:83(前月比-10ポイント減少)
- 見通し判断DI:35(前月比-24ポイントと大幅減少)
- 現在の価格水準は高いとの認識が依然として強いが、前月より弱まる
- 今後3か月の見通しでは価格が下がるとの見方が強まり、DIは50を下回る35まで低下
4. 過去の推移との比較
- 令和5年6月:需給現状DI 55、価格現状DI 47と低水準
- 令和6年6月:需給現状DI 79、価格現状DI 82と上昇
- 令和7年6月:需給現状DI 52、価格現状DI 83と需給が急激に悪化
記事は、令和7年6月時点で米の需給動向と価格見通しが前月から大幅に悪化し、市場関係者の間で需給緩和と価格低下への懸念が急速に高まっていることを示しています。