公益社団法人米穀安定供給確保支援機構（米穀機構）が令和7年8月8日に公表した「米取引関係者の判断に関する調査結果（令和7年7月分）」について、主食用米の需給動向と価格水準に関する市場関係者の判断を定量的に分析したものです。
調査実施概要 米取引関係者に対して需給動向や価格水準などの取引動向に関するアンケートを毎月実施し、その結果をDI（ディフュージョン・インデックス）として算出している継続的な市場調査です。調査結果は6ページにわたって詳細に分析されており、米穀流通業界の動向を把握する重要な指標として活用されています。
令和7年7月の主要調査結果 主食用米の需給動向については、DI値が前月と比べて現状判断・見通し判断ともに「横ばい」となりました。これは米の需給バランスが安定的に推移していることを示しており、急激な需要変動や供給制約が発生していない状況を表しています。
価格水準の動向分析 主食用米の価格水準のDI値は、前月と比べて現状判断が「減少」、見通し判断が「大幅に増加」となりました。これは足元では価格が落ち着いているものの、先行きに対しては価格上昇への警戒感が市場関係者の間で高まっていることを示しています。
具体的な数値指標 主食用米の需給動向について、現状判断DIは51（前月からの増減-1）、見通し判断DIは42（前月からの増減-1）となり、わずかながら慎重な見方が強まっています。価格水準については、現状判断DIが77（前月からの増減-6）、見通し判断DIが46（前月からの増減+11）となり、現状の価格水準に対する認識と将来予測に明確な差が見られます。
市場動向の背景分析 需給動向が横ばいで推移する一方、価格に対する見通しが大幅に改善している背景には、作況や流通在庫の状況、消費動向の変化などが複合的に影響していると考えられます。米穀関係者が現在の価格水準を適正と判断しつつも、今後の需給バランスの変化に対しては注意深く監視している状況が読み取れます。
政策的意義と活用価値 この調査結果は、米の需給調整や価格安定政策の立案において重要な判断材料となるほか、生産者や流通業者の経営判断、消費者への情報提供などにも活用される基礎データとして位置づけられています。
記事は、日本の主食である米の市場動向を客観的なデータに基づいて把握し、関係者間での情報共有と適切な政策判断を支援する重要な統計調査として機能していると評価されています。