主要中央銀行グループによる重要報告書公表
主要中央銀行のグループが9月18日、ワークストリームを設置して2024年から2025年にかけて行ってきた議論をまとめた報告書「技術革新におけるホールセール中央銀行マネー」(原題:Wholesale central bank money in the context of technological innovation)を公表した。日本銀行が9月19日に発表した。
ホールセール中央銀行マネーの技術革新
研究背景: デジタル技術の急速な進歩により、中央銀行間の大口決済システムにおける技術革新が加速している。報告書は、ホールセール(卸売り)レベルでの中央銀行デジタル通貨(CBDC)や分散台帳技術(DLT)の活用可能性を詳細に検証している。
国際協調研究の意義: 主要中央銀行が共同でワークストリームを設置し、2年間にわたる集約的研究を実施したことは、国際金融システムの将来的なデジタル化に向けた重要な基盤構築を意味している。
技術革新の焦点領域
報告書では、ホールセール決済システムにおける技術革新の具体的アプローチを検討。従来の中央銀行マネーシステムに対する技術的改良、新しいデジタルインフラの構築可能性、国際間決済の効率化方策などが主要テーマとなっている。
実務的含意: 銀行間大口決済、証券決済、国際送金等の業務効率化と安全性向上が期待される。特に国境を越えた決済システムの相互運用性強化により、国際金融取引のコスト削減とスピード向上が見込まれる。
国際決済銀行との連携と今後の展開
報告書は国際決済銀行(BIS)ウェブサイトで公表され、国際金融コミュニティ全体での情報共有が図られている。この研究成果は、各国中央銀行のデジタル通貨政策や決済システム高度化戦略に重要な指針を提供し、国際金融システムの将来的なデジタル化推進の基盤となることが期待される。日本銀行も本研究の成果を踏まえ、国内決済システムの技術革新と国際協調を一層推進する方針である。