政策の概要
スウェーデン政府は9月4日、2026年度予算案を公開し、高インフレ下で食品価格高騰に直面している家計を支援するため、食品の付加価値税（VAT）の一時引き下げを中核とする食品価格対策パッケージを発表した。
具体的な支援策
食品VAT引き下げ: 食品のVATを12％から6％に一時的に引き下げる。子供2人を含む世帯で年間約6,500スウェーデン・クローナ（約10万4,000円、1SEK＝約16円）の食費節約効果を見込む。適用期間は2026年4月1日から2027年12月31日まで。
価格モニタリング体制: 消費者庁に食品価格委員会を新設し、VAT引き下げ分が小売価格に適切に反映されるよう価格動向を監視する。
規制緩和措置: スウェーデン経済地域成長庁に食料品業界の規制緩和を指示し、食料品店の競争環境を強化して長期的な価格低下を促進。また、地方自治体に食料品店の増設を促す。
政策背景と課題
ウルフ・クリステション首相は、この予算案の中核が子育て世帯への支援であり、食品VAT減税が食品価格引き下げにつながると説明している。一方、現地メディアでは、多額の政府予算を要するVAT引き下げよりも、児童手当や住宅手当などの補助金増額の方が低所得者層支援により適切だとする専門家の指摘も報じられている（2025年9月4日付Aftonbladet紙）。