カリフォルニア州再生資源局が8月22日に発表したプラスチック削減法（SB54）の実施規則見直しについて解説したものです。
実施規則の見直しプロセス
カリフォルニア州再生資源局（CalRecycle）は、州法「プラスチック汚染防止および包装の生産者責任に関する法案（SB54）」を施行するための「恒久的に実施するための規則」を公表し、8月22日から10月7日まで第4回目のパブリックコメントを募集すると発表しました。
同時に、カリフォルニア環境品質法（CEQA）に基づくSB54の「環境への影響報告書」も8月26日に公表され、8月26日から10月10日までパブリックコメントを募集しています。この環境影響報告書はSB54の目標達成に必要な環境評価で、市民参加と利害関係者協議の機会を提供します。
SB54の具体的要求事項
SB54は2022年6月30日に成立し、生産者に対して以下の3つの義務を課しています：
リサイクル可能性の向上: 州内で販売される使い捨て包装材および使い捨てプラスチック製食品容器の100%をリサイクル可能または堆肥化可能な製品とすることを要求。
リサイクル率の達成: 州内で使用される使い捨てプラスチック包装材および使い捨て食品容器の65%をリサイクルする目標を設定。
削減目標の実現: 使い捨てプラスチック包装材および使い捨て食品容器の販売・流通を2023年比で25%削減することを義務付け。
規則案の大幅修正の経緯
当初CalRecycleは2024年4月8日に実施規則を公表し、3回のパブリックコメントを経て2025年4月に施行予定でした。しかし、企業や消費者にとって負担が大きいとの理由で、施行直前の2025年3月7日にギャビン・ニューサム知事（民主党）が見直しを命令しました。
新規則案の改善点として、前年の規則案をベースにしつつ、用語の定義を明確化、表示のルールを詳細化、SB54の内容をより明確化する修正が加えられています。この全面修正により、企業の実務対応がより具体的になり、コンプライアンス負担の軽減が図られています。
今後のスケジュール
再生資源局は10月7日に対面およびオンラインでの公聴会を予定しており、受理されたパブリックコメントの発表と議論が行われる予定です。この最終的な意見交換を経て、修正された実施規則が確定し、全米最大の経済規模を持つカリフォルニア州における包装材規制の新たな枠組みが始動することになります。
記事は、SB54の実施が米国の包装材・プラスチック業界に与える影響は全国規模に及ぶ可能性があり、今回の規則見直しが業界の対応可能性を高める重要な修正になると評価しています。