日本銀行釧路支店が2025年7月25日に公表した道東地域の金融経済概況について報告している。
道東地域の景気は持ち直しの動きが鈍化している。個人消費については、一部のサービス業で改善がみられるものの、全体としては横ばい圏内の動きとなっている。観光業は、インバウンド需要の回復により宿泊業で改善がみられるが、天候不順の影響もあり回復ペースは緩やか。
生産活動では、食料品製造業が堅調を維持している一方、水産加工業では一部魚種の水揚げ減少により調整の動きがみられる。農業については、天候の影響で一部作物に遅れがみられるものの、全体としては順調に推移している。
設備投資は、食品関連企業を中心に合理化投資や品質向上投資が行われているが、全体としては慎重な姿勢が続いている。雇用情勢は、有効求人倍率が高水準を維持しているものの、建設業や介護業では深刻な人手不足が続いている。
公共投資は、インフラ整備関連事業により一定の水準を維持している。住宅投資については、金利上昇の影響もあり、やや慎重な動きがみられる。
金融面では、運転資金や設備資金を中心に資金需要は底堅く推移している。物価は、エネルギー価格の安定化により上昇圧力は和らいでいるが、人件費上昇を背景にサービス価格は緩やかに上昇している。今後も持ち直しの動きは続くものの、ペースは緩やかになると予想される。