制度導入の概要と背景
タンザニアの公正競争委員会(FCC)は2025年9月1日、輸入品の商標権登録(Recordation)を義務付ける新制度を2025年12月1日から実施すると発表。同日以降、タンザニア本土に輸入される全商品について、商標権をFCCに登録することが必須となる。
この措置は2025年財政法の制定により商品標章法に「第11A条」が追加されたことを受けた法的対応で、具体的な手続きは2025年7月1日に施行された「2025年商品標章(登録)規則」に明記されている。
申請に必要な提出書類
申請者は所定様式に以下事項を記載し、必要書類とともにFCCに提出:
記載必須事項:
- 申請者の詳細
- 商標権者の国籍・管轄区域
- 商標が付された商品の製造場所
- 商標が付された商品のサンプルまたは鮮明な写真
- 商標の使用許諾を受ける個人または事業体の詳細
添付必須書類:
- 商標登録書の認証済み写し
- 申請手数料の支払い証明
登録制度の運用規則
登録範囲: 商標の登録地にかかわらず、全てFCCへの登録が必要
有効期間: 承認から1年間有効(その後更新が必要)
申請手数料: 20万タンザニア・シリング(約1万1,800円、1タンザニア・シリング=約0.059円)
審査期間: FCCの主任検査官は申請受理後21日以内に承認・却下を決定し、その後5日以内に申請者に通知
代理業務の制限
商標権者により認可および登録された代理人のみがFCCへの登録業務を実施可能。これにより、適格な代理人による手続きの品質担保を図る制度設計となっている。
模倣品対策効果の期待
FCCは本制度導入により、登録商標について模倣品の輸入に対する予防的措置が可能になるとしており、タンザニア市場での知的財産権保護強化が期待される。輸入業者にとっては新たなコンプライアンス要件となるが、ブランド保護の観点では効果的な制度として機能する見込み。