神行PRO電池の発表概要
中国車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)は2025年9月7日、ドイツのミュンヘンで電気自動車(EV)などに搭載できるリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池「神行PRO」を発表。最新の安全技術「NP3.0」を搭載し、安全性・航続距離・長寿命・急速充電において優れた特徴を持つ欧州市場戦略製品として位置づけられている。
2モデルの技術仕様
長寿命モデル: 欧州消費者の国際的長距離移動を想定した仕様
- 航続距離: WLTP基準で758キロ
- バッテリー寿命: 12年または100万キロ(世界の乗用車向け電池で最長)
- 劣化特性: 20万キロ走行後の劣化率わずか9%
- 適用領域: 欧州市場での長期リース向け
超急速充電モデル: 欧州の寒冷気候に対応した仕様
- 航続距離: 683キロ
- 急速充電性能: 10分充電で478キロ走行可能(欧州市場向けLFP電池最速)
- 寒冷地対応: マイナス20度環境で電池残量20%から80%まで20分で充電完了
欧州市場での生産展開
CATLは欧州の90%以上の主要自動車メーカーと協力関係を構築し、車載電池輸出と現地生産を積極推進:
- 既存稼働工場: ドイツ、ハンガリー
- 建設中プロジェクト: ステランティスと共同でスペインに工場建設中
海外売上の好調な業績貢献
2025年上半期業績(前年同期比):
- 総売上高: 1,789億元(約3兆5,780億円)、7.3%増
- 海外売上高: 612億元、21.1%増(売上高全体の34.2%)
- 中国国内売上高: 1,177億元、1.2%増(微増)
収益性比較:
- 海外粗利益率: 29.0%(4.2ポイント増)
- 国内粗利益率: 22.9%(0.1ポイント増)
海外市場の収益性が国内を大幅に上回り、CATLの海外展開戦略の成功を示している。