【新規制の実施】マレーシア保健省は2025年9月1日、「1985年食品規則(Food Regulations 1985)」の改正を施行した。この改正により、動物由来の場合を除き、総脂肪100グラムあたり2グラム以上のトランス脂肪酸を含む食品の輸入、調理、広告、販売が禁止された。対象は油脂の加工由来のトランス脂肪酸で、動物由来の自然発生したものは対象外となる。
【日本企業への影響】輸入品も対象に含まれるため、日本からマレーシアへの食品輸出に際しても留意が必要である。最終消費者向けまたは小売り向けに販売される食品が規制対象となる。
【WHO基準準拠】今回の措置はWHOの基準に準拠したものとなる。WHOは2023年に「飽和脂肪酸およびトランス脂肪酸の摂取に関するガイドライン」を公表し、成人および子供のトランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%まで減らすよう強く推奨した。
【国際的な規制強化】トランス脂肪酸の過剰摂取は生活習慣病につながるリスクが指摘されており、近年各国でトランス脂肪酸や部分水素添加油脂に関する規制が強化されている。WHOは2023年までに食品中の脂質100グラムあたりのトランス脂肪酸を2グラム未満とするよう食品事業者に呼びかけている。