【政策発表・目標設定】 中国国務院は2025年9月4日、「スポーツ消費の潜在力を引き出し、スポーツ産業の質の高い発展を推進することに関する意見」を発表した。2030年までに国際的影響力を持つスポーツ企業・イベントを創出し、スポーツ産業規模を7兆元超（約143兆5000億円、1元＝約20.5円）に拡大する目標を設定。2023年実績は3兆6700億元（前年比10.3%増）であり、大幅な成長を目指している。
【6分野20項目の具体的措置】 同意見では（1）スポーツ商品の供給拡大、（2）スポーツ消費の需要喚起、（3）スポーツ企業の規模拡大、（4）スポーツ産業における新原動力育成、（5）人材・金融面支援策強化、（6）サービス向上の6分野20項目を提示。公道・水域等公共資源のスポーツイベント開放、低空スポーツ・ウインタースポーツ振興、民営企業投資支援、設備更新支援策適用等の具体策を盛り込んでいる。
【内需拡大戦略の重点分野】 8月22日の国務院常務会議でスポーツ産業発展とスポーツ消費促進を内需拡大戦略の重点取組みと位置づけ。「データ要素×スポーツ」行動推進によりビッグデータ・AI活用製品・サービス開発支援、スポーツと観光・文化・ヘルスケア等他産業との融合強化を通じて新たな消費シーンを創出し、経済成長を牽引する戦略である。