【7月輸入量は過去2番目の高水準】 全米小売業協会（NRF）と物流コンサルタント会社のハケット・アソシエイツが9月9日に発表した「グローバル・ポート・トラッカー報告」によると、7月の米国小売業者向けの主要輸入港の輸入コンテナ量は、前月比20.1％増、前年同月比1.8％増の236万TEUとなった。
【関税回避のための前倒し輸入】 8月の相互関税発動の影響を回避するため、小売業者が輸入の前倒しを進めたことから、7月の輸入量は2022年5月の240万TEUに次ぐ、過去2番目の高水準を記録した。
【年末に向けて大幅減少の見通し】 今後の見通しでは、8月は前年同月比1.7％減の228万TEUと高めの水準となるものの、以下のように急速に減少が見込まれている：
- 9月：前年同月比6.8％減の212万TEU
- 10月：同13.2％減の195万TEU
- 11月：同19.7％減の174万TEU
- 12月：同20.1％減の170万TEU（2023年3月以来の低水準）
【業界の懸念と不確実性】 NRFのサプライチェーン・税関担当副会長のジョナサン・ゴールド氏は「世界中で相互関税が発動され、多くの主要貿易相手国が10％の関税を上回る税率の対象となった」とした上で、「小売業者は関税引き上げに備え、可能な限りの在庫を確保してきたが、米国の貿易政策の不透明感により、将来の事業成功に不可欠な長期計画の策定が不可能となっている」との懸念を示した。
【対中国輸入の減少】 デカルトが発表した「グローバル・シッピング・レポート」によると、8月の米国の対中国輸入量は前年同月比10.8％減となり、アルミニウム製品、衣類、履物の減少が特に顕著だった。