大規模抗議デモの実施 イスラエル各地で8月17日、ハマスとの紛争が始まって以来最大規模の抗議活動とゼネラルストライキが行われた。抗議活動は2023年10月7日にハマスが攻撃を開始した時間と同じ午前6時29分（日本時間午後0時29分）に開始された。「タイムズ・オブ・イスラエル」紙によると、テルアビブの「人質広場」には50万人以上が集まり、全国では100万人以上が抗議活動に参加した。参加者はイスラエル政府に対し、ガザでの戦争を終わらせ、ハマスに拘束されている人質の解放を求めた。
社会・経済活動への影響 高速道路や主要道路の一部が閉鎖され、公共交通機関は減便された。多くの企業や文化施設が休業したが、イスラエル最大労働組合である労働組合連盟（ヒスタドルート）は公式にはストライキに参加しなかった。アイザック・ヘルツォーク大統領も同日、人質広場を訪問し、国際メディアに対してハマスに圧力をかけて「人質解放なくして合意なし」と迫るべきだと訴えた。
政府の対応と方針 ベンヤミン・ネタニヤフ首相は同日の閣議の冒頭で、「ハマスを倒すことなく戦争終結を訴える人々は、ハマスの姿勢を強硬にし、人質の解放を先延ばしにするだけでなく、10月7日の惨劇が何度も繰り返される」とストライキを批判した。ネタニヤフ首相は「人質の解放を推進し、ガザがイスラエルに対して脅威となることを二度と許さないため、われわれは任務を完遂し、ハマスを打ち破らなければならない」と強調した。
新たな停戦交渉の進展 人質の解放交渉で新たな動きがあり、ハマスは8月18日、エジプトとカタールが提示した新たな停戦・人質解放案を受け入れたと発表した。「エルサレム・ポスト」紙によると、この提案には60日間の戦闘停止と、イスラエルの人質10人の解放が含まれており、見返りとして、イスラエルは150人のパレスチナ人受刑者を釈放することになるとしている。この交渉進展により、長期化する紛争に新たな解決の糸口が見えてきた可能性がある。