【会談概要】
令和7年9月19日、石破茂内閣総理大臣は総理大臣官邸でバーレーン王国のサルマン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ皇太子兼首相殿下と約25分間会談を行い、その後約60分間のワーキング・ディナーを実施した。両国関係は今回の会談により「戦略的パートナーシップ」に格上げされた。
【署名された協力覚書】
双方の立ち会いの下で5件の重要な協力覚書等が署名された。具体的には、日本特許庁とバーレーン工業商業省間の二国間特許審査ハイウェイ(PPH)合意、日本宇宙航空研究開発機構(JAXA)とバーレーン宇宙庁(BSA)間の宇宙分野協力覚書、日本国際協力センター(JICE)とバーレーン人事局(CSB)間の公的部門人材育成協力覚書、航空協定に基づく航空当局間枠組みの改正、日本デジタル庁とバーレーン情報・電子政府局(iGA)間のデジタル分野覚書が含まれる。
【経済・投資協力の拡大】
石破総理は、両国の協力が伝統的なエネルギー分野を越えて政治・安全保障、環境、情報通信、宇宙、文化の幅広い分野に拡大していることを強調した。特にクリーン・エネルギーや交通分野での協力進展への期待を表明し、日本のスタートアップ企業がバーレーンでの投資事業を拡大させる動きを両国政府で後押しする方針を示した。現在交渉中の日・湾岸協力理事会(GCC)経済連携協定(EPA)の早期妥結に向けても協力していくことを確認した。
【中東情勢と地域平和】
中東、欧州、インド太平洋をはじめとする国際情勢について意見交換が行われた。石破総理はガザにおけるイスラエルの軍事作戦拡大に深い懸念を表明し、パレスチナが持続可能な形で存在しイスラエルと共存することの重要性を強調した。双方は「二国家解決」及び長期的な地域の平和と安定に向けて協力していくことで一致した。