エジプトのアニメファンコミュニティにおけるトレンドやニーズについて、人気インフルエンサー3人への座談会後編の内容を報告したものです。
エジプトにおける日本アニメの人気度について、ジヤード氏がSNSでアニメに関する発信を始めた際、1週間でフォロワーが10万人に達したことが示すように、日本アニメは大変な人気を誇っています。「Anime」という言葉は、エジプトでは日本のアニメを示す言葉として一般的に使われており、アニメファンの数ではエジプトは中東地域で圧倒的に大きいとされています。アフマド氏の感覚では、エジプトの5~35歳の人口のうち、10人に3~4人はアニメを見たことがある、もしくはアニメファンと推定されます。
現在エジプトのアニメファンの間で特に人気があるのは『進撃の巨人』『ONE PIECE』で、街中で警察官が『ONE PIECE』の動画を見ているのを目撃したという証言もあります。『呪術廻戦』も大変人気があり、人気ジャンルとしては「少年」(少年マンガ原作のアニメ)がマジョリティで、少し前の「三大タイトル」として『NARUTO-ナルト-』『BLEACH』『ONE PIECE』、現在の「新三大タイトル」として『鬼滅の刃』『僕のヒーローアカデミア』『呪術廻戦』が挙げられています。
商品面では、アニメキャラクターのファッショングッズが人気で、50代男性がアニメキャラクターのTシャツを着用している例も見られました。『遊☆戯☆王』のカードゲームや『ポケモンカード』、アニメグッズやフィギュアも人気で、プラモデルは独自のファンコミュニティを形成しています。ただし、フィギュアの価格は高く、UAEドバイの紀伊國屋にある『グレンダイザー』のフィギュアは2万8,000UAEディルハム(約111万円)という例が挙げられています。
エジプトのアニメファンが求めているサービスとして、より多くのアニメファン向けイベントの開催が挙げられており、現在スポンサーがついているアニメ関連イベントは「エジコン」のみですが、UAEではひと月に多くて6回ほどイベントが開催されています。日本食関連のイベントやゲームとアニメにフォーカスしたイベントの開催も求められています。
国際競争力について、『ONE PIECE』『呪術廻戦』『進撃の巨人』『鬼滅の刃』は世界的に認められているコンテンツとされ、最近アラビア語圏で「『ONE PIECE』はあなたの叔父だ」という言い回しが流行していることからも、日本のアニメがアラブ世界に深く浸透していることがわかります。
記事は、エジプトにおいて日本のアニメ文化が幅広い年齢層に浸透し、関連商品やイベントに対する強いニーズが存在することを示しており、中東地域における日本のポップカルチャーの影響力の大きさを実証していると結論づけています。 EOF < /dev/null